おや、茨同盟の君じゃないか。ただいま……と言うには、俺自身常々気まぐれが故に変な気もするが、嬉しいものだな。君の言う通りすぐにわかったぞ。もっと正直に言うのなら題名からもしや、という予感があって日記を手に取らせてもらったら、だったな。……さすがに我ながら気持ち悪いぐらいだろう、と思わんでもないが……まあ、感じたものは確かだしな。そういうこともあるだろうと勝手に自己完結して笑ったもんだ。何がなくとも悩み憂うことも多いのが人の身だ、相変わらず君もいろいろとあるようだが……一先ずはまた君の言葉に触れられて嬉しく思うぞ。届けてくれたことへの感謝を。
慣れがくれば胡座もかくのが人間というものだが、それに加えて間の悪さが重なればどうも面倒だな……と、思ってしまうのが俺だ。最近では時間と手間をかけるものも増えてな、正味茶をする時間さえあればいいとも思ってきてしまっているからか、執着もなければ惜しさもないのが素直なところだ。
どうなるかはわからんが、言葉だけで変わる様が見えないとなれば答えは出ているようなものだが……年末の大掃除にかこつけてなんでもかんでも片付けないようになったのは成長と捉えるべきか。しかし大包平には面倒くさがっているだけだろうと言われてしまいそうだな。安易に顔が想像できてしまう辺り、やはりあいつは面白い。
俺が顕現してから迎えた初めての冬、唇が切れた時に主からりっぷくりーむというものを貰ってな。それからずっと重宝しているんだが、今年も例に漏れず活躍してくれている。どうやら俺は唇が切れすい個刃のようだ。乾燥というものなんだろう? 人の身は不便なことも多いと思ったものではあるが、風邪だ流行り病だといったものにもかかるらしい。主は勿論、皆気を付けてほしいもんだ。
この手記の一年を締め括るには俺でいいのかとも思うんだが……まあいいか。今年も世話になった、この場と、俺達と言葉を交わしてくれた者、そして気紛れにも覗いてしまった誰かへも感謝を。皆よい年を迎えてくれ。