日記帳 【弐】
46.水面に沈む、唐紅
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184 :煉_獄_杏_寿_郎
06/17(木) 06:00



眠れないから、君から貰った手紙を読み返していた。いつも優しい君の言葉は、いつだってするりと俺の心に入ってくる。俺は君のようには出来ていないと思う、そういう所も尊敬しているんだ。俺は何でも君には話してしまうから、ちょっとした言葉でも胸にちくりときたら言ってしまうし、言い方も上手ではない。それでも、俺が勝手にさみしくなっただけなのに、君は俺の気持ちに寄り添ってくれた。俺は君に、ほんの少しも距離を置かれたくない。物理的な距離よりも心の距離が許せない気質なので、今後も『俺のことは気にしなくていい』みたいな言葉には全て異議を申し立てる所存だ。
以前に、俺が君に振られるのではないかと思っていた時期があっただろう?あの頃は君の体調が落ちていて、それを俺に言えずに居た頃で。君はそんな自分の心を抑え込んでいて、心が遠くなったみたいでな。強がる事も悪いことじゃない。だが、恋人に対してそれは要るのか?と俺は思うのだ。他の誰に見せられなくても、俺だけには見せて欲しいし、俺も君だけに見ていて欲しい。今はそういう心の距離も近くなって、すっかり安心しきっている。歩み寄ってくれた君のおかげだ、本当にありがとう。いつも俺の言葉を大切にしてくれて、気持ちや考え方、感じ方も共有出来て嬉しい。ここに記すのが好きなのも、君が俺の居ない時に見付けて、俺を感じてくれるのが嬉しいからだ。少し時間差にはなってしまうが、君を大好きな気持ちがまたひとつ君へと届くのかと思うと、何だかわくわくしてしまうんだ。

これを君が見付けるのはいつだろう?眠気眼で開いた時だろうか、息抜きがてらに手にした時だろうか……宇_髄、今日も君のことが大好きだ。もっと一緒に過ごせたら嬉しいが、君の寝顔も大好きだから焦れたりさみしいとかはないんだぞ?君が傍らで立てる、静かな寝息も。触れるとひんやりさらさらと美しいその髪が流れる様も、心地好い心音も、よく馴染む体温も。そのどれもが愛おしく、眺めているだけであっという間に夜が明けてしまうんだ。君の仲良し瞼も愛しいしな、どんな姿も可愛くて仕方がない。
可愛いで思い出したのだが、先日のあれだ。今までも何度かあったと思うのだが、君が柔らかく名前を呼んでくれる時の声が好きなのだ。眠る前によく聞くというか、俺だけに向けてくれる特別な音だからか、えらい勢いで気が緩んでしまってな?任務前なのに寝所でのような気の緩み具合に、我ながら驚いたものだ。顔に出ないからそのまま任務に出掛けたが、心の中では君が愛しくてえらいこっちゃだった。

俺にはそういう可愛げがなくてな、名前もあまり柔らかく呼べていない。力強さには定評はあるのだが、なかなか……君は愛嬌があって本当に可愛い、どこをとっても俺の好きで出来ている。どうしてこんなに好きなのかわからないくらい、君の全てが堪らなく愛おしい。もっと上手く言えたらよかったのだが、俺以外にあまり理解されたいものでもない。君の可愛さを知るのは俺だけだろう?他者など許さない、誰であろうとも。だから宇_髄、格好良い君で居てくれ。俺以外には愛らしい所は見せないで欲しい。俺の前でだけ、気を緩めて欲しい。そう強請っても、いいだろうか。

狂おしいよ、君を好きになればなる程に。
どんどん君を縛りたくなる。


俺だけのものにしたい、
君の全てを。


……俺だけのものにしたいんだ、宇_髄。う_ず_い、



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