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はぐれ拳士不純系・紅蓮編5
2010/04/12(月) 22:06:32
橋の下。
川べりに腰を下ろし、言音は脇に紙束を放った。
マヤは、言音の視線の先で川面をぱちゃぱちゃ小枝で叩いて遊んでいる。
「あーああ…」
重い溜め息をつきながら、言音は視線を紙束に向けた。
ケツを拭く紙ならば幾分役に立つかもしれないそれは、忌々しい汚い字が殴り書かれているために今はそれ以下の価値しかなくなっている。
これは、あの何も考えてないオッサンが手書きしたギルドの広告貼り紙だった。
そんなもの、なんなら爽やかに川に流してしまいたくなるが、そうもいかない。
正式な依頼だからだ。
制作し、要請してきたのはオッサンだが、金の支払いは村長からだ。
なぜかわからないが、村長はオッサンのギルドに意外なくらい注力している。
はっきり言って理解しかねるが、とにかくマトモに仕事をこなさないとロクに儲けがない仕組みになっている。
システムはこうだ。
まず、前金は来週一週間の夕飯。
そして、儲けの大部分を占める後金は出来高制になっており、ギルドに依頼が来るたびに加算される。
つまりは、夕飯をカタに一文も入らないかもしれない雑用を押しつけられたのだ。
(ez/W61T, ID:3Cu7xFH5O)
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