Yahoo!ショッピング

スレ一覧
143.文庫小説等のヲハナシをするが為に生まれたスレ
 ┗127

127 :げらっち
2022/08/04(木) 00:41:05

夏やすみなので読書感想文

ピーター・ベンチリー ジョーズ
有名映画の原作小説。内容はだいぶ違う。
映画ではブロディ・フーパー・クイントの3人の男に焦点が当てられていたが、原作ではブロディの妻エレンや、町の住人たちにもスポットライトが当たっている。
特にエレンが顕著。フーパーのキャラは映画ではコメディリリーフで、ブロディとは終始味方同士だったが、映画ではエレンの浮気相手となり、ブロディと結構ガチで殺し合う。クイントは一番まともだ。そのクイントは小説では後半からの登場となり、映画と若干キャラが違う。映画よりも硬派であり、この点は楽しめた。
エレンとフーパーの情事は、果たして必要か……?町のごたごたはサメに関連しているし緊迫感があるからいいにしても、この2人の蜜月関係はサメとは完全に無関係であり(サメが出現しなければフーパーも町に来なかったので、関連はあるっちゃあるのだが)、しかも無駄に尺を取っており、この部分をサメに当てれば、もっと面白くなったんじゃないかと思う。

スピルバーグ監督はこの不倫を完全にカットしている。

映画ではフーパーは助かり、クイントは無残に殺される。ブロディがサメを倒すシーンは何度見てもかっこいいが、小説と比べると、派手さ優先でリアリティが無い。また、クイントは余りにも活躍が無い。
小説ではフーパーは柵を使い海中に降りた後、サメに喰い殺される。フーパーを恨んでいたブロディとフーパーを見下していたクイントは一致団結し、サメに「男の闘い」を挑む。クイントはほぼサメと相打ちになる形で、サメと共に海中に没し死亡する。ブロディに襲い掛かる直前にサメが力尽きるというのも、ちょっと有り得ないが……

映画では、オルカ号が出港してからサメとの対決を終えるまで、一度も帰港しないという大胆な省略があった。このへんのスピルバーグの手腕は見事だ。
小説では何日か漁に出ており、フーパーが死んだ後も帰港する。その翌日、嵐の漁で決着がつくのだった。小説では、一度も海で夜を過ごしていない。
クイントが「戦時中、原爆を運び、船が沈没し、サメに襲われた」昔話も、映画のオリジナルであり、小説には存在しない。

また、小説ではほとんど登場しない子供たち(小説では3人だが映画では2人)が、映画では重要な役割を担っている。ジュラシックパークを見てもわかるように、スピルバーグは子供を恐怖の中のアクセントとして描くのが得意だ。

サメによる死者数は
小説 クリッシー アレックス・キントナー アレックスと同時に襲われた老人 ベン・ガードナー フーパー クイント 
映画 クリッシー アレックス・キントナー ベン・ガードナー 入り江のボートの男 クイント

[返信][編集]



[管理事務所]
WHOCARES.JP