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193.『戦隊学園』制作スタジオ
 ┗121

121 :第3話 1
2021/06/15(火) 20:55:17

2041/4/16 (火) 赤口

私たちは校内の階段を上がっていく。抜け駆け授業の学校探検。
「ね、手つないでいい?」
楓がそう言った。私は、
「だめです。」
「え・・・?」
「冗談。もちろんおっけい。」
楓はきゃははと可笑しそうに笑う。私は彼女の手を握ってぎゅっと指を絡めた。
「最初はどこ行く?」
「そうだな。」
戦隊学園にあるのは10のクラス。
興味深い物もあれば、まったくどんな活動をしているか見当がつかない物もある。
それぞれの得意分野を極め、様々な技能を持った戦隊を輩出している。

「そういえば、戦隊以外のヒーローやヒロインが居ないのはなんでなんだろう。」

「知らないの?」
楓は信じらんないとでもいうような顔をして。
「2025年、“赤の日”。真っ赤な巨人が現れた。日本中のヒーローが立ち向かったんだけど、全部倒されて――」

 巨人をいさめたのが千野武大、のちの戦隊学園校長その人である。
 千野武大はヒーローを司る存在となり、彼にカラーを与えられた者だけが戦士になれるようになった。


「カラー・・・つまり戦隊か。」
入学式では音声だけの訓示を贈り、姿を見せなかった校長。
赤の日についてはTVなどで何となく聞いたことは有ったが詳しいことは知らなかった。
「ちょうど私たちの生まれた年なんだね。」
「うん。あたしのおばあちゃんもそれで死んじゃったから・・・あ、見て七海ちゃん!」
5Fの踊り場に到着した。古めかしい扉に、『実験中』という札が掛けてあった。
「化学クラス!ここから見よ!」

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