スレ一覧
┗
193.『戦隊学園』制作スタジオ
┗124
124 :4
2021/06/15(火) 21:02:03
男子も女子も成長期真っ盛り、食堂ではおなかを空かした生徒たちがずらーりと列を作っている。
私と楓はその最後尾に並んだ。
すると私の後ろに、丸眼鏡をかけたポニーテールの女子がくっついた。
特徴としてはかなり身長が低い。制服を着ていなければ、小学生が迷い込んだのか思ってしまっただろう。
「今日のメニュー何だろ?」と楓。
私は「くんくん。この匂いはカレーだな。」
「すご!よくわかったね。」
香辛料のいい匂いがする。
「戦隊学園名物ゲキカラカレー、一度食べてみたかったんだ。」
トレイとスプーンを取ってカウンター沿いに進む。
やがて楓の番が来た。
「180!」
「あいよー」
厨房のおばちゃんがリクエスト通りのグラムの米を盛る。
その上にルゥがたっぷりかけられる。おいしそう。
楓は「お先に~」と言ってテーブルの方に向かって行った。私はというと
「350で。」
「350って・・・」
私の後ろの丸眼鏡の女子が喋った。
空気の漏れるような小さな声だった。
「おなかすいてるから余裕。それに、カレーは好きだから。」
「へぇー・・・うち150が限界・・・ねぇうちは何色に見える?」
相手の色彩を読み取るなど朝飯いや昼飯前だ。野にひっそりと咲く花のような、
「ピンク。」
「ピンポーン。わぁ、嘘じゃなかったんだ・・・佐奈(さな)って呼んで。」
トレイを支えているので握手ができない。私はペロッと舌を出して挨拶代わりとする。
「私七海。よろしくね佐奈。さっきガレージに居たよね?濁った青にどやされていたけど。」
「そうそう!」
佐奈と名乗った少女は途端に饒舌に話し始めた。
「工学クラスのやつらはほんと、性格悪い!だから勝手についてきちゃった。オチコボレに入れてほしいです。七海さんからは強いバイブレーションを感じるので。」
「ありがと。あと、敬語じゃなくていいよ。」
仲間が増えるのは嬉しい。だがその喜びも蛮声により台無しにされる。
[
返信][
編集]
[
管理事務所]