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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/06/15(火) 21:26:42

「ねえ。オチコボレンジャーに入ってよ。あなたの緑で全部揃うの。」
公一は後ずさりしてこう叫んだ。

「怖っ。」

私はそれこそ、胸に手裏剣を突き付けられたような鋭い痛みを感じた。
馬鹿にされるよりも、気持ち悪がられるよりも、同情されるよりも、怖がられるのが、一番つらい。
胸が苦しい。

「・・・わかったごめん。そうだよね。怖いよね。そう簡単にいくわけ、ないものね。」

私は公一に背を向けた。私は忍術クラスにも馴染めなそうだ。
瞬間、眩暈がした。
何だろう何かがおかしい。邪悪が、絶望が、百足の様にかさこそと這い寄って来る。
「ねぇ。」
木々の合間から声がした。
「わああ!!」
公一は立て続けに悲鳴を上げ飛び退く。
森の中からおんなのこが現れた。小学校低学年くらいの、おんなのこ。
「みぃつけた。」
おんなのこは不自然なまでに口角を上げて笑った。その目は真っ黒な、死んだ目だった。
「芽衣。」
私は全てを察した。
「公一逃げて!」
芽衣が牙を剥いて襲い掛かる。
私は2枚の手裏剣を打ち付けた。両の目に刃が刺さり、芽衣はキャァと短い悲鳴を上げ破裂した。

「やるじゃぁん!!」
上空から声。
私はドキリとして夜空を仰ぐ。
満天の星空に、月のように輝く女が浮いていた。

平均的な女子の2倍はありそうな体躯。
編み込まれた長い髪、派手なドレス、リボン、ヒール、その全てが、ピンク・緑・紫・金・銀などうざったいほどカラフルだ。

だが感じる色彩は、真っ黒。
「あなたが本物の芽衣だね。」

「あってるようでぇ、違うよぉぉ!!アタシはミルキーーメイ!前にも言ったよねぇ?七海ちん。」

私は指揮棒を上空の芽衣に向けた。

「誰でもいい。あなたが先生と、レジェンドレンジャーの皆を、殺したんだ。」

やつがMt.マンスで志布羅一郎先生を殺した。

「あいつら殺し甲斐なかったよぉ!アタシはアンタしか眼中になかったからね。子供の頃はた~っぷりいじめてくれたよねぇ。でも見えてるみたいでよかったよぉ。アンタの青い目を、もう一度潰せる。」

芽衣は地面に降り立った。
「芽衣ちゃん人形!」
私を囲むようにして大量の芽衣が現れた。こちらは小学校の記憶そのままの、小柄で地味な普通の芽衣だ。
「変身!」
私はガクセイ証に声を吹き込み白の戦士となる。
「かなしい、あそび」
芽衣たちは手を繋いでぐるぐると回り始めた。
私はタクトをぐるんと反対回りに回転させまばゆい星を振り巻いた。「キララ!」光に触れた芽衣たちは順に血飛沫を上げ破壊される。

「キュートだよぉ!でもこれはどうかなぁ。」

「ぎゃあああああ!!」
再三の悲鳴。
「公一?」
振り向くと、公一が芽衣の1人に頭を丸呑みにされるところだった。
「卑怯者!」
「どんな汚い手を使っても――とか何とか。」
ミルキーメイは大きな手で私の顔面を掴んだ。暗転。

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