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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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135 :15
2021/06/15(火) 21:30:30

ポツン、と。

瞼に水滴が落ち私は目を覚ました。
目は見えるが、動けない。鎖で固い床に縛り付けられているようだ。
屋内なのか屋外なのかさえよくわからない場所だ。
星空からから2本の鋭い針が伸びていた。それは私の両眼の15㎝程先に突き付けられていた。

そして恐ろしいことに。
その針は少しずつ、私の目に向かって、進んでいた。
「や・・・!」
ポツン、と。針先から水滴が落ち目に入る。手も顔も動かせず、私は目をしばたいて水を払い除けた。

「なんやねんここは。」
小さな声がした。

「公一!!」

私は叫んだ。右隣で公一も束縛されているようだ。
「星が綺麗やなあ。」
「言ってる場合?あなたのせいで捕まった。意気地なし。」
「ごめんな・・・」

公一は黙ってしまった。
またもや水滴が落ち、私は目を瞑る。気が狂いそうだ。

「こ、ここから逃げなきゃ。公一、あなた忍者なら、関節外して縄抜けくらいできるよね?」

「関節外しても骨が無くなるわけちゃうから、縄抜けはできひんで。忍者は小さい刃物を手に隠し持ったりして縄を抜けるんや。」
「じゃあその刃物で・・・」
「刃物忘れて来たねん。」
「馬鹿!」

再び沈黙。
針はじりじりと迫っている。

「なじってる場合じゃなかった、ごめん。」

返答がない。
針はもう5㎝程先まで迫っている。私は両眼をぎゅっと瞑って叫んだ。
「公一聞いてるの?わ、私目を潰される。助けて・・・!」
再び暗闇に戻るのだけは死ぬより嫌だ。
だが公一はもう助からないと思ったのか、吞気に身の上話を始めたではないか。

「俺のオトン、江原忍一(えばら にんいち)って言うて結構有名な忍びやねん。俺はその後継ぎとして、ホープとしての入学やった。」

「今そんな話・・・!!」

「でも俺には才能が無い。こんななら学校入らなよかった。ああオトン、オカン・・・」

「ねぇ。」
私のフラストレーションは限界に達してしまった。
「うじうじすんな!!!!うざったい!!」

私は刺々しい見た目に変わり鎖をはち切った。自由を得ると同時に両腕で針を掴み、ボキリとへし折った。

「な、なんや!?」

「パーソナリティ障害が身体にまで現れてるだけ。個性ってぼかした言い方は嫌いなの。」
私は公一の鎖をも掴んで粉砕し、荒い息を上げながら彼の首根っこを引っ張って立たせた。
「私の仲間になりなさい。オチコボレでもいいの、見返してやりましょう。今から反撃開始。」

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