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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/06/15(火) 21:42:39
私とミルキーメイは暗闇を落ちて行く。
バキバキとケダモノの鱗もカラーも剥がれ落ち私は元の少女に戻る。
真っ逆様になりながら現在地点を確かめる。
真下に見えたのは
「戦隊学園!」
私たちは今まで学園の上空で戦っていたのだ。
ビュオオという凄まじい風音、このままでは校庭に叩きつけられて死ぬことになろう。
「真っ白に、戻ったねぇ。アタシも、元に戻して。戻してよぉお!!死ぬのはアンタだけだからぁあ!!」
ミルキーメイはこの状況でも殺意を露にし、黒い爪で私の首根を引っ掻いた。
「あう!」
血飛沫、そして時計塔が目に入る。
「死ね七海!」
「芽衣危ない!!」
悲しくも予想通りの顛末になってしまった。
ミルキーメイは重力のままに時計塔の避雷針に首を貫かれた。ドスッという鈍い音、彼女の頭部は暗闇に飛んで行った。
私は時計塔の屋根に全身を強打し、そのままゴロゴロと屋根を転がり落ちる。
「ぐううう!」
手を伸ばし屋根のへりに掴まる。
全身がボロボロで、これ以上掴まっていられない。
私の指が屋根から外れた。
「わあ!」
落ちてゆく。今度こそ、地に落ちて、死ぬ――
私は目を瞑った。
「七海!」
ハッと目を開く。戦士が空中で私を受け留めていた。
「先生?」
違う。
緑の戦士、公一だった。彼はその身軽さで宙を自在に移動したのだ。
私を抱きかかえたまま校庭にひらりと着地する。
「ありがと。かっこいいとこあるじゃん。」
公一はフンと言った。これがオチコボレンジャーの初陣である。
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