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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/06/18(金) 02:24:31

「なーんてな。」

天堂茂は相手を蔑むいつものいやらしい表情に戻り、土足で畳に上がり込んだ。
「ちょっと。靴くらい脱いでよ。」

「ちょっと。靴くらい脱いでよ。だと?一体誰がこの部屋の使用を許可したんだ?」

天堂茂はずかずかと侵入すると、ゴミでも見るような目で鍋を見た。
「まずそうな鍋だ。」
「ああっ!」
天堂茂は土鍋を蹴飛ばした。半分も食べていない御馳走は無残にもひっくり返り、宙を飛び、具材が虚しく散乱した。
「ブヒー!僕が心を込めて作ったちゃんこが!」

「何すんの!?」
私は衝動的に立ち上がり天堂茂の胸ぐらを掴んだ。

「おっと、すぐに手の出る悪い癖が治って居ないようだな、躾のなっていない白豚。暴力はやめた方がいい。退学になりたくないならな。」

私は自分に言い聞かせる。
冷静になれ、暴力では解決しない――

私は何とか自制を効かせ、奴の胸ぐらから手を離した。

「お利口だな。」
天堂茂は私に触れられた箇所が汚らわしいとでもいうようにパッパッと払い除ける。
「それで何の用?」
「クズのお前がクズを寄せ集めて戦隊を組んだと聞いたのでな――」

「おい!」
ドスの利いた声。私はちょっとびっくりした。

「七海になんてこと言うねん!俺がお前を半殺しにしたろか?俺を退学にしたいならしてみいや。いっぺんは退学を決めた身やからな。」

公一が、私と天堂茂の間に割り入った。

「お前は江原公一だな?お前の父は有名だったようだがこんな奴らと付き合うとは地に落ちたものだな。僕の父上をご存じか?天堂任三郎、ニッポンジャーの隊長だぞ。」

「てめぇ、なめんなよ。父親の名前出さな喧嘩できひんのかてめぇ。しばいたろか。」

公一、口は達者だがひょろひょろで弱そうだ。
天堂茂は暫く公一を睨んでいたが、やがてニヤリと笑った。

「父親の面汚しの不良息子に・・・不良集団のパシリだった豚に・・・重度のコミュ障のチビ娘に・・・それに」
誰かが天堂茂に殴りかかった。
楓だ。
だがその渾身の一撃は届くことも無く、何者かの攻撃によって阻まれた。
「楓!」
楓は「ぎゃん!」と叫んで畳に転げた。室内に大柄な4人の男たちが突入し、天堂茂を守ったのだった。

「ご苦労。」

「へぇ・・・卑劣なあんたにも仲間がいたんだ。どうせ父親絡みの脅しか、金の力で仲間にしたんでしょうけど。」

「見当違いだな。」
天堂茂はガクセイ証を取り出し、口元に当てた。

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