アマゾン

スレ一覧
193.『戦隊学園』制作スタジオ
 ┗159

159 :6
2021/06/27(日) 01:32:54

がらんとしたC校舎・忍術クラス。畳の敷き詰められた部屋。
前に体験授業に来た時は蝋燭で照らされていたが、今は照明をつけたので明るい。

「金庫どこ?」
「隣や。」
ふすまを開けて隣室に入る。すると畳がパカっと開き、私は足を突っ込んだ。
「わあ!」
「七海!」
公一が服のすそを掴んで私を支えた。穴底には、先の尖った竹が上を向いて並べられていた。落ちていたら串刺しになっていただろう。

「忍者屋敷やで。ちっとは気ぃつけえや!」
「ふぅん、やるじゃん。」

私は四角い穴を跳び越える。
床の間に、大きな木の箱が設置されていた。和風な金庫だ。

「鍵貸して。」
公一が銀の鍵を投げてよこす。私はそれを鍵穴に刺し、ガチっと回す。
扉が開いた。

「空っぽだね。」

空っぽ。
目で見える“手がかり”のようなものは何もない。
「待てよ。」
私は金庫のあちこちをペタペタと触り、次に顔を突っ込んでみる。
「何しとんねん!」
じっと目を細め、金庫の中の暗闇を、見つめた。


「茶色い。」


「――え?」
「微かに、茶色い。茶色が此処に来た。今じゃないけど、確かにここに訪れた。カラーの足跡が残っている。」

「茶色・・・委員長や!茶色は美しいとかけったいなこと言うとった!」
「そう・あだっ!!」
私は顔を上げようとして金庫の天井に思い切り頭頂部をぶつけた。
「あほか!」
「いたた・・・けどこれでわかったね。」
「でも鍵は?」
「鍵・・・マスターキーがあるって言ってた。ソウサクジャーなら全部の鍵を持っててもおかしくない!」
「それや!!」

私と公一は手を取り合って喜んだ。

「――でもそれだと証拠不十分やな。」
「うん。私も彼の変身した姿を見たわけでは無いからね。変身したカラーを見れば確信に変わるんだけど。」
「でもあいつは犯人を逮捕するまで変身しない言うてたで。」

[返信][編集]



[管理事務所]
WHOCARES.JP