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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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160 :7
2021/06/27(日) 01:35:43

「あなたが変身するよう頼みに行けばいいでしょ。」
「無理や!その場でフルボッコにされてお縄やもん!嫌や!!」
「いくじなし。」

公一はじろりと私を睨んだ。

「何やて?もう一度言ってみぃ。」

「何度でも言ってあげるよ、意気地無。そもそも自分の問題でしょ。自分で片を付けなくてどうするの?」

「うっさいな!!」
公一は私に掴みかかった。私は咄嗟に男の急所にキックをお見舞いする。
「ぎゃああああ!!!」
痛い一撃だ。
「何すんねん!!コドモできなくなるやろがぁああ!!!!」
「知ったことか。」

私はガクセイ証を取り出す。ほぼ同時に公一もガクセイ証を取り出していた。

「変身!!」

私は白、公一は緑の戦士となる。

「息ピッタリだね。」
「女だからって容赦はせえへんで!」
「いいよ。本気でやろうよ、2人きりなんだし。」
「上等や。」

公一は壁をドンと叩く。絡繰り扉がくるりと反転し、中にはびっしりと暗器が収納されていた。
「苦無(くない)や喰らえ!」
黒いナイフのような暗器が私の足下の畳にドスッと刺さった。
「もういっちょ!」
公一は2本目の苦無を手に歩を詰め、私の顔面目掛けてシュっと刃先を突き出した。私は咄嗟に足元の苦無を引き抜いて切り結ぶ。チンと言う金属のぶつかる音。腕力では相手が勝り、私は押し負けそうになるが。

「ボウライド!」

私は火球となり突進した。
公一はそれを全身で受け止めるも踏ん張りが効かない。私は壁を突き破って相手の体を屋外に放り出した。
「嘘やろ!反則やん!」
「本気でやるっつった!」

2人まとめて夜の校庭に落っこちた。


「何をしている。」
変身は解け、私は満身創痍の公一の毛髪を掴んで立たせようとしていた。そこに来たのは、委員長だった。
「!・・・これはこれは、誰も居ない筈の校舎から明かりが漏れていると思って来てみたら、江原公一。こんなところに居たのですね。」

「そ。」
私は公一を蹴飛ばして、委員長の前に転がした。
「本当は助けてやろうと思ったんだけど、こいつ弱虫でムカつくから、あなたに突き出すことにした。煮るなり焼くなり、好きにして。」
委員長はにんまりと笑った。
「小豆沢七海、君の蔵匿罪は見逃してあげましょう。気に入った。」
「だったらどうしたって言うの?」
「口の減らない女だ。」

公一はまるで叩き潰され瀕死になった虫けらの様にのたうっている。


「あなたを横領の罪で、逮捕します――」


委員長はガクセイ証を取り出し唱えた。
「変身。」
彼の体がカラーに包まれる。
独特の茶色だった。彼の自負する通り美しく優雅な色だ。金庫に残っていたカラーと、全く同じであった。


「はい、あなたの負け。」
「何――?」
私と公一は委員長の首筋に同時に苦無を突き付けた。

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