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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/07/01(木) 22:17:22
『それでは試合開始デス!アーミーロボvsジュウキオウ、勝つのはどっちだ?』
試合開始のゴングが鳴ったが、既に勝敗は見えていた。それでもアーミーロボは強大な敵に立ち向かった。
『サバイバルライフル!』
小銃でジュウキオウを射撃する。しかしドーザブルの固いブレードはライフル弾を簡単にはじいた。
『ショベルアッパー!』
ジュウキオウの上半身がぐるんと一回転し、鋼鉄のショベルでアーミーロボの華奢な身体を吹き飛ばした。
「こっちに来る!」
七海は楓と豚之助を窓から引き剥がし伏せさせた。
アーミーロボはB校舎に激突し、校舎は大きく揺れた。しかし倒壊どころか傷1つ付かないあたり、流石は戦隊の養成学校である。
『お~っと、これは痛い一撃!アーミーロボ、大丈夫デショウか!?学園中から失意と落胆のため息が聞こえマス!』
アーミーロボは何とか立ち上がった。
『決勝に進出するのはアーミー電兵隊だ。どうぞ。』
しかし既にガタが来ていた。あちこちから火花が飛び散り、ぎくしゃくと動いている。
ジュウキオウは一切の容赦を見せなかった。
『クレーンキャッチ!』
クレーンが伸びアーミーロボを釣り上げた。
『どどどどどうぞ』
ジュウキオウは上半身をぐるぐると回転させ、アーミーロボはヨーヨーの様に成す術なく振り回される。
そしてポイっと放り出された。
『ああっ!アーミーロボ!』
生徒たちの悲鳴が漏れる。しかしアーミーロボは最期の悪あがきを見せた。空中で狙撃銃を展開したのである。
『スナイパーライフル!』
だがジュウキオウの底力はこの程度では無かった。
『コンクリート砲!!』
ジュウキオウの右腕が大砲に変形し、ドラムからコンクリートの砲丸がドムッ、ドムッと発射される。
1発目は西の森に落下したが2発目が上空のアーミーロボにクリーンヒット。
アーミーロボは無残にも胴体を破壊され、空中で分解した。手足、そして頭部が校庭に墜落し、爆炎を上げた。
巨大ロボはいとも簡単に消し飛んでしまった。
『解体完了。』
ロボに乗り込んでいたアーミー電兵隊はと言うと、直前に脱出したようである。空に5つのパラシュートが見えた。
校舎から寮から校庭から、一部始終を見ていた生徒たちは一瞬、沈黙していた。
非現実的な巨大兵器の衝突とその破壊力を目の当たりにし、呆然としていたのである。だがやがて拍手喝采に変わる。
『す、素晴らしい!戦隊学園の開発力が、ここまで進化していたとは!わたくしも感激デス!デザインジャー製にハズレなし!この後デザインジャーに多数の注文が殺到するのは間違いありマセンねー!して、勝者は建築戦隊ジュウキマン!素晴らしい戦いを見せた彼らに、拍手を!』
スタンディングオベーションだ。
『この戦いはわたくしのYUTAチャンネルで見逃し配信する予定ですので、是非チェックを――』
――七海たちはと言うとずっこけていた。
「め、滅茶苦茶すぎる・・・」
「こんなんじゃ勝てっこないよ!どうするの!?」
「僕たちもデザインジャーにTELするブヒ?」
「お金ないんだよなぁ・・・あれ。」
佐奈の姿が無い。
「佐奈!」
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