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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/07/01(木) 22:21:20
「誰だっけ?」
「ふざけてんじゃねーよ!上級生に歯向かった落とし前はキッチリ付けてもらわねぇとな。」
「七海ちゃん、あいつだよ!」
とぼける七海に楓が耳打ちする。
「入学式の日に会った柄の悪いやつ!七海ちゃんがボコしてくれてさ・・・!」
「あ・・・ああ、あのデブか!」
赤鵬の顔色はみるみるうちに悪くなっていった。
「てめぇら・・・死にてぇのか?」
あの時はグラサンに学ラン姿だったため気付かなかったのだ。
「あなたに殺される筋合いはないけど。」
「まぁいい。俺は大和魂!のフェアな勝負を挑みに来た。おいてめぇ大岩、お前に用がある。」
楓の後ろに一生懸命体を折り畳んで隠れている豚之助だったが尻は愚か全身が丸見えだった。豚之助は「ブヒっ」と言った。豚之助の本名は大岩大之助であることを七海たちは忘れていた。
「格闘クラスの面汚しめ。女どもの味方をしている腐ったやつに力士を名乗る資格はねぇ。これは相撲の勝負だ。俺たちは7人。」
赤鵬の後ろには、彼に負けず劣らずでかい6人の男たちが並んで居た。
彼らは壁のようになって廊下を完全に塞いでおり、通ろうとしている生徒たちはうろたえていた。
「お前は1人だ。お前は一日一番、俺達と相撲を取る。お前が勝ち越せばてめぇらオチコボレの勝ち、負け越せば俺たちドスコイジャーの勝ちだ。フェアなルールだろう。これぞ大和魂!」
大和魂とはいったいどういう意味だろうか。豚之助は小さい声で言った。
「僕にはできない。」
「逃げるのか?小心者の豚野郎め。お前はもう力士を諦めるということだな?」
赤鵬は挑発する。だが。
「僕は平和主義者、戦隊はチーム戦ブヒ。僕が挑発に乗って、オチコボレンジャーを負けさせてしまうわけにはいかない。断髪するブヒ。相撲を捨てても、僕はこのチームに居たい。」
豚之助は堪えた。
だが肝心なことを忘れていた。
「ねぇ、おかしくない?」
「あん?」
「何で他人から命令されて夢を諦めなきゃいけないの?」
七海という人物は誰よりも、挑発に乗ってしまうタイプだったのである。
「七海ちゃん!僕はいいから・・・!」
「豚之助、相撲やめないでよ。こんな奴やっつけて、あなたの実力を見せてやればいい。そもそも押し付けルール自体がフェアじゃない。5vs5の勝負にしようよ。」
「5vs5?お前も戦うつもりなのか?」
力士たちは一斉に七海を嘲笑した。
「こいつは可笑しいな。ふざけるんじゃねぇ、これは俺達と大岩の相撲の勝負だと言っているだろうが。女が土俵に乗れるか!」
七海は赤鵬の土手っ腹にタクトを突き付けた。
「馬鹿みたい!」
「七海ちゃんやめて!あの時と違って相手は7人だよ。勝てるわけないよ!」と楓。
七海は叫んだ。
「私を蚊帳の外に放るならこれだけは言わせて。相撲の世界って昔からさ、外国人差別とかもさ、やることが本当、餓鬼っぽい!!」
タクトから星屑が床に向けて発射され爆ぜた。
豚之助は低い声で言った。
「僕のことはいい。でも、七海ちゃんを馬鹿にするやつは許さない。ごっつぁんです、受けて立つブヒ。」
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