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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/07/01(木) 22:25:56
「ド、ドンマイ豚之助!気にしないで!あんなの勝ったうちに入らないから!ここから六日間が本番だと思って行こ!」
七海がそう励ましても、豚之助は無言で引き返して行った。
「豚之助・・・。」
日没を迎え、七海と楓は女子寮に引き上げる。
「暑う!こりゃ明日からシャワーでいいな。」
七海は部屋に付随する風呂から上がったところだ。白い肌が赤く火照っている。
「次入る人のために追い炊きしておいたから。」
「ふざけんな!なんかさぁ、kezuriのグループでさっちゃんが変なこと言ってたけど、どういう意味かなぁ。」
「え、なになに?」
七海はスマホを確認する。
ebara『今から授業や!』
kae『ガンバ!』
sana『七海さんの部屋の近くに引っ越しゅぅ』
kae『どういうイミ?』
buta-no-suke『ブヒ?』
kae『マジでどういうイミー?』
kae『既読無視ってひどくね?』
「・・・わかんないな。隣の部屋は埋まってるはずだし、1部屋2人までだからこの部屋に来るのは無理だし。」
「まあいいや、あたしお風呂行ってくるから。あのこよくわかんないし!」
楓はパジャマを手に浴室へ向かって行った。
「宿題でもするか。」
七海は2段ベッドの上段に上がろうと、梯子に手を掛ける。すると。
「あれ?」
ベッド脇の床に四角い囲いがあり、取っ手のようなものが付いているではないか。
「こんなとこにストレージ(床下収納)あったっけか。」
七海は取っ手に手を掛け、収納を開けてみた。
「嘘!!」
それは収納などではなかった。
梯子が階下へと伸びていた。七海たちの部屋は3Fなので、2Fに続いているのだろうか。
七海は好奇心に従い梯子を降りて行った。
辿り着いた部屋は七海たちの部屋と間取りが同じだが、家具も雰囲気もまるで違った。
七海は別次元に来たような不可思議な感覚に陥った。
ごちゃごちゃした自分の部屋とは違いこちらは整然としており、2段ベッドではなく1人用の、それも子供部屋にありそうな可愛らしいピンクのベッドがある。
あのデンジャラスな水槽も無いため広く感じられる。かわりに目につくのは大きな本棚だ。本、本、本がびっしりと並んで居る。
「誰も居ないのか・・・ん。」
七海はゾッとしてお風呂から出たばかりだというのに鳥肌が立った。
よく見れば人が居るではないか。背中を丸めてパソコンを打っている小さな人影が。擬態しているかのように、部屋の風景に溶け込んでいるがあれは。
「佐奈!」
「にゃ?」
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