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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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202 :7
2021/07/12(月) 22:28:24

六日目の土俵。
控えに座るドスコイジャーの黒ノ不死は、身長335㎝・体重350㎏。
平均身長の高くなった2041年でも突出している学校一の巨漢だ。肌は黒く、いかつい風貌で恐れられている。
横綱である赤鵬よりも強いのではないかと噂されるほどだ。

時間が近付いても豚之助はなかなか現れない。

「まさかあいつが怖くて逃げ出しちゃったんじゃ?」と楓。
「それよりも昨日の怪我が深刻だったのかもしれない。」七海。
「大丈夫、豚之助はゼッタイ来るから。」
砂かぶりには胡坐をかいている佐奈の姿もあった。
「そして勝つから。」

観客席がやにわにざわつき始めた。
ガッチャン、ガッチャンと、足音を鳴らして。
巨大なロボットのようなものが歩いてきた。いや機械の鎧と言うべきだろうか。

顔の部分だけは生身の人間、豚之助の顔だった。

「ぶ、ぶたのすけぇー!?」
佐奈は自信満々に言う。「違う。あれは――メカ之助。」

メカ之助は土俵に上がった。鉄の足に踏み付けられ土俵はメコっとへこむ。
今やその体は黒ノ不死より一回り大きい。
黒ノ不死は初めて出会う自分より大きな相手を前にして困惑している様子だった。赤房下の赤鵬が怒鳴った。

「反則だろうがぁ!」

だが公一の変装である行司は淡々と仕切った。
「かまえて!」
行司の居場所が無いほど土俵は窮屈になっていた。少しぶつかり合っただけでもすぐに土俵から出ていしまいそうだ。

楓は焦って聞く。
「さっちゃんアレは?」
「足怪我したっていうから、最初は補助具を作ろうと思ったの。でも作ってるうちに、全身改造しちゃえ!・・・って思った。そんだけ~」
「すご!天才か?」
「天才です。今さら気付いたの?」

「やってくれると思ったよ佐奈。」七海はニコッと笑う。

「時間です!待った無し!」
2つの巨体は蹲踞の姿勢を取る。これだけでも踵が俵にくっ付きそうなほどだ。

場内はシンと静まって。

黒ノ不死は雄叫びを上げ突っ込んだ。
常人ならひとたまりもないだろう。だが全身を機械で固めたメカ之助は違う。
ドガァンと言う音、メカ之助は一歩も退かず、いとも簡単にその突撃を受け止めた。

「そっちが重戦車ならこっちはジェット機ブヒ。ブースト寄り切り!」

メカ之助は背中から炎を噴いた。
ジェットエンジンで電車道、一気に黒ノ不死を土俵の外に寄り切った。
砂かぶりに居た赤鵬とドスコイジャーの面々は哀れ黒ノ不死の下敷きとなる。
「グああ!」

「ブヒトリー!(ビクトリー)」

豚之助は星を五分に戻した。

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