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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/07/12(月) 22:31:39
豚之助の快進撃により急遽、戦隊首席会議が行われた。
10のクラスにはそれぞれ首席が居り、それの会合が戦隊首席会議となる。
首席は大抵3年生から選出されるが、成績・功績・戦績次第ではその限りでない。
文学クラス・天堂茂は、テストでの優秀な評定と偉大な父の影響により、1年にして首席の座を勝ち得た数少ない1人だ。
彼は会議室の椅子でふんぞり返っていた。
「このザマは一体どういうことですか。」
「坊ちゃん申し訳ねぇ。」
赤鵬は首席の1人であるにかかわらず椅子も与えられず、ドーナッツ型の円卓のぽっかり空いた中心に、デカい身体を折り畳んで跪いていた。
「返す言葉もねぇ。」
「オチコボレンジャーのような卑劣で、低俗で、下賤な戦隊が優勝となればとんだ恥晒しだからな。もっとしっかりしてほしいものですね?赤鵬先輩。」
赤鵬はぺこぺこと頭を下げる。
「既に武芸・忍術クラスの戦隊が不覚を取っている。戦-1で優勝するのは僕のエリートファイブだとそう言う筋書きだろう?小豆沢七海には僕の個人的な恨みもあるんだ。さっさと潰せ。」
円卓を取り囲んでいる8人の首席のうちの1人が発言した。
「・・・私的には。」
魔法クラス主席・金閣寺躁子(きんかくじ そうこ)。
金髪で、巫女の衣装のよく似合う、学園有数の美女。
「あんま乗り気じゃないですね。小豆沢七海は魔法クラスのかわいい後輩ですものね。」
「そうでぇす!」
続いて金閣寺の隣に座す生物クラス主席・PP(パンダパンダ)チョウスキー。
パンダのキグルミに身を包んだ異様な男。
「生物クラスは今、戦隊動物園のオープンに尽力でぇす!あなたのおままごとに付き合っている暇はありませぇぬ!」
「黙れ。」
天堂茂は姿勢を正すと、眼鏡の下の目をギラつかせた。
「わかっているだろうが、僕の父上は、本学園の理事長も務められているのだぞ!!」
首席たちは黙り込んだ。
一変、天堂茂はパッと笑顔になる。
「・・・どうした?もっと気楽にしていいぞ。僕は先輩方の自主性を尊重するつもりですからね!これは命令ではないのだ。僕からのただの“お願い”だ。」
首席たちは更に縮こまってしまった。
赤鵬はスッと立ち上がる。
「俺が明日、最後の相撲に勝つ。コボレンジャーは敗退待った無しだ。」
「だが奴らにはロボがあるんだろう?」と天堂茂。
すると彼の隣でノートパソコンを打っていた女子が叫んだ。
「あんなのロボじゃないのよ。鉄くずをセロハンテープで止めただけ。鰻佐奈!工学クラスの裏切り者のチビ。うざい、」
彼女はデザインジャーとして学園のロボ開発を担当している茶髪のポンパドールの女子。
その卓越した才能で、天堂茂と共に1年にして主席の座にあるのだ。
天堂茂は少し閉口した。
「おかしな髪型だな。」
「ポンパドールです。」
「そうだな・・・ではポンパドーデス、赤鵬先輩のためにロボを作って差し上げろ。」
「ポンパドールです。」
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