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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/07/12(月) 22:40:19
赤鵬と豚之助の大一番は通常の土俵では行われなかった。
昨日のメカ之助の進撃により土俵に亀裂が入ったのもその一因ではあるが、それよりも――2人ともデカすぎて、土俵に入りきらなかったのである。
千秋楽は巨大兵器同士の相撲となった。
校庭に敷設された専用の土俵は東京ドームほどの大きさもある。
観客たちは校舎の窓から戦いを見るのだが、ジュウキオウの時とは違い、高さのある土俵を見上げていた。
館内放送が入る。
『心はレディーのジェントルメンも!見た目はボーイのガールズも!実況はおなじみ、配信戦隊ジッキョウジャーの実況者YUTA!まずは西から、オチコボレンジャーの巨大兵器、メカ之助の入場だ!学園最弱とも噂されたオチコボレンジャーは、この一番に戦-1の進退を賭ける!』
メカ之助は昨日よりも遥かにデカくなっていた。
もはやアーマーと言うより豚之助の形をした巨大ロボだ。のしのしと土俵に登る。
『遅れて東から、オチコボレンジャーに胸を貸す、相撲戦隊ドスコイジャーの・・・おーっと、これは!』
こちらは更なる異形が現れた。
3体のロボである。しかもその3体とも、人間のカタチではない。
上半身だけの力士が2本の腕で地面を歩行しているという妖怪のような気味の悪い姿であった。
3体のそれは土俵によじ登った。
『なんだこれは!どうやらデザインジャー製のロボのようデスが。そもそも相撲は1vs1の勝負のはずなのに、3体も居ていいのか!?』
「まあこっちは5人居るんだけどね。」
メカ之助のコクピットに座って居たのは七海だった。
「いぇい!」楓、
「なんやねんあれきっしょいな!」公一も搭乗している。
ディスプレイに、前方でうごめく3体の異形が映っている。
『では立ち合いデス!見合って見合って!』
ドスコイジャーの3体のロボは縦に積み重なり合体を始めた。
相撲取りの顔が3つ団子の様に重なっているというやや手抜きなデザインだが、最大の特長は腕が4本ある事だろう。
土台部分になったロボの腕は脚になったが、腹部と頭部のロボの計4本の腕は、自在に動いていたのだ。
「完成、奇塊鵬(きかいほう)。」
奇塊鵬のコクピットに乗っているのは赤鵬。
「大岩大之助、顔じゃねぇよ。」
奇塊鵬は4本の腕のうちの2本を太い仕切り線に付けた。
メカ之助のコクピットには佐奈も座っていた。
機器に埋没していた小さい彼女だが、大きな声で叫んだ。
「メカ之助!あんな気味の悪い奴らさっさと倒しちゃお!」
「了解ブヒー!」
豚之助の声がコクピットにこだまする。豚之助は意思を持つ巨大ロボに改造されてしまったのだ。
メカ之助は仕切り線に両腕を付いた。
次の瞬間、2つのロボがぶつかり合った。
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