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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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215 :5
2021/07/19(月) 20:24:13

「真に魔法の才を持つ者は、そう居ません。」

木村は一冊の本を差し出した。
教科書のような冊子だが使い古されており、やや汚い。

七海はそれをめくってみる。
そこには明らかに手書きで――しかも、少女の書いたような丸文字で――言葉の羅列が書き綴られていた。
七海にはそれが何かすぐにピンときた。

「呪文ですね。」

「はい。」

「先生!」
七海は初めて担任の木村を先生と呼んだ。

「私、ネクタイが結べないんです!」

木村は笑った。

「精進あるのみです。」

――――――――――――――――――――――

こぽこぽと鍋を火にかけている女がいた。彼女は料理をしているのではない。
金閣寺躁子は、今朝むしったばかりの取れたての白い髪の毛を、鍋の中に落とした。
そして人間の発音とは思えない呪文をブツブツと口にする。鍋から黒い、煙が上がる。

「躁子ねえさま、不機嫌でいらして?佑子にはわかりますわ。」

近付いてきたのは銀髪の、地味な女子。金閣寺と同じ巫女の衣装を着ている。
「足りない。」
金閣寺はつぶやく。
「私の魔力を高めるには、まだまだ足りない。まぁ問題はなくてよ。じきに学園中の生徒が、小豆沢七海を狙うことになるでしょう。」

「ねえさま、佑子の身体ではいけなくて?腕でも脚でも、差し上げますのよ。」
「銀閣寺佑子、あなたの髪は銀。私が必要なのは小豆沢七海が生まれ持った、真っ白な髪。それよりもあなたには頼み事があるの。」
金閣寺は銀閣寺の唇に指を添える。
「はい、なんなりと。」

「天堂茂とポンパドーデスに頼んで、ロボを調達しておいてほしいの。ボリューム感のあるロボを、お願いね。」

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