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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/07/19(月) 20:27:39

放課後。
オチコボレンジャーの“部室”であるこぢんまりとした和室にて、七海は今日の出来事を同志たちに話す。

「・・・というわけで、これを貰ったのでした。」
七海は木村に貰ったボロ本を開いて4人に見せる。だが4人ともピンとこないという顔をしていたので話題を変える。

「さぁて問題です。私みたいな熊をなんていうでしょーか!」

「あっなぞなぞ?」楓が喰い付いた。
「七海ちゃんは熊っていうか犬じゃね?誰に向かっても吠えるから!」
「楓、今夜覚えてろよ。」

「熊・・・くま・・・あ・・・!」続いては公一。
「あくま、やな!」
「とう!」七海は公一に飛び蹴りした。

「降参ブヒ。答えは何?」
「ちこくまだって。センパイに言われたんだけど。」
「ああ、たしかに・・・七海さんって、時間守らないよね。」
「え、そう思われてんの?」
「自覚ないんだね・・・」

前座はさておき。

「はい、始めよっか。」

リーダーである七海の指示にて、オチコボレンジャーは自主練を開始する。
「セオリー通りの授業よりここでの訓練の方がよっぽど役に立つ。校庭出よう。」
「七海さん。」佐奈が言う。
「うちと豚之助は、巨大化について調整と打ち合わせするから、3人で行って。」
「わかった。」

七海、楓、公一は校庭に向かう。


「変身、コボレホワイト。」
ガクセイ証に息を吹き込み白の戦士に変化する。カラーがスーツとなって体を覆い、日差しの下でもへっちゃらだ。
カラーは能力をも向上させる。変身中はパワーやスピードが上がり、ちょっとやそっとのダメージも無効にする。

七海はタクトを構え、10メートルほど先に佇む天堂茂にピッと向けた。
「死ね、」
唱えるのは、例の呪文集から引用した、炎の魔法。

「スパイラルフレアー!!」

何も起きなかった。
「おかしいな・・・やっぱり、パチだったのかな。」
七海はタクトの先をつんつんと突いてみる。チクチクする。

するとどういうことだろう、天堂茂が、バラバラになって倒れた。
「あれぇ?」
「どや、見たか!」
公一が愛刀のkougaを鞘にしまう所だった。

天堂茂を模した“天堂茂ロボ”は練習台にはもってこいだ。今や切り刻まれた多数の天堂茂の残骸が校庭に散乱している。本人が目撃したら、悲鳴を上げて失神するに違いない。

「公一くんすっげ!かっこいい!」
楓が公一の元に駆け寄る。
「まあこのくらいは、基本でござる。」
「あは!これでもうちょっと背が高かったら、公一くんもイケメンだったのになぁ!」
「なんやねんそれ。忍者は俊敏さが生命線やから、でかすぎるのもようないねん。オカンにも大きくなれって言われてるんやけど・・・」
「ふぅーん。まあいいや、今のままで十分だよ!」
楓は公一の腕に絡みつく。
白昼堂々イチャイチャするとはナンセンスだが――それを傍観していた七海の心の中には、ぷすぷすと、嫉妬という悪い心が芽生えていた。

「スパイラルフレアー!!」

ごおっと、タクトの先から炎の螺旋が噴き出した。
「わあタンマ!」
「ぎゃあああっづう!」
楓と公一は爆風に煽られ真っ黒けになった。
七海はというと反動で吹っ飛ばされ、尻餅をついていた。
「あ、成功だ。」

「なにすんねんあほ!」
「殺す気かー!」
「わあ、ごめん!」七海は逃げる。2人は鬼の形相で追いかけてくる。

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