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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/07/19(月) 20:30:40

七海は校庭脇の女子トイレに隠れていた。

「ふぅ・・・そろそろ行ったかな?」
恐る恐るトイレから出ると、楓&公一の姿はなかった。
だがその代わりに、5人もの人影がトイレを包囲していたではないか。
赤・黄・緑・ピンク・紫の戦隊ユニットだ。

「生物クラス・植物戦隊ラフレンジャーのラフレッドと申す者じゃ!見つけたぞコボレホワイト――小豆沢七海。」

七海はきょとんとする。
「あ、戦-1の宣戦布告?ちょっと待って、こっち5人そろってないし。」
「戦-1は関係ない!お前の髪の毛が欲しいのじゃ!」

七海は、今日はよく髪の毛を欲しがられる日だと思った。
「あげない。禿げちゃうから。」

「力ずくでも奪ってやる!ラフレスメル!」

「くッさ!」
ラフレッドの手から黄色い粉のようなものが放たれた。
トイレの中より遥かにきつい悪臭で七海は気を失いそうになるが、何とか耐える。
同時に他の4人の戦士も攻撃を仕掛けた。それぞれがツタを伸ばし、七海を拘束しようとする。
「させるかバーニング!」
七海は全身から炎を出しツタを焼き切った。これも呪文集の魔法の1つだ。
植物相手に効果は抜群。
「今のうちに!」
七海は校舎に逃げ込む。

「困ったな。」
へろへろと廊下を歩いていると購買に到着した。
戦隊学園は広く、多数の飲食スペースがある。ここはまだ一度も利用したことのない購買だった。
「なんか食べて休むか。」

「いらっしゃいませ。マーマレード戦隊パンレンジャーの購買へようこそ。今日はパンがお安いですよー。」

購買の店主と目があった瞬間、その店主の顔つきが変わった。
「小豆沢七海だ!つかまえろ!!」
「ひゃあ!」
七海は一目散に逃げる。
「つちのこじゃないんだから!」
パンレンジャーの5人の戦士が追いかけてくる。
「待てー!ジャムパン投擲!」
ひゅんひゅんとパンが飛んできて七海の背中にあたった。
「こらー!食べ物を粗末にするな!」
七海は振り向いて交戦する。
「スタン・ガーン!」
電流が走りパンレンジャーたちは泡を吹いて床に転げた。言うまでもなく、これも呪文集の魔法の1つである。

――その後も戦隊の襲撃は続いた。

「文学クラス・文具戦隊モノレンジャーだ。コンパスミサイル!」
「分度器カッター!」
「ホチキス機関銃!」

「ビッグウェーブ!」
文房具で戦う子供騙しの戦隊は水魔法で一掃した。

「芸能クラス・真打ち戦隊ラクゴレンジャーでございます。吹っ飛ぶ布団!」
「リーフウィップ!」
布団で攻撃してくる目障りな戦隊は草の鞭でぐるぐる巻きに束縛した。
七海は詰問する。
「一体誰の指図でやってるの?」
「べ、別に指図されたわけじゃないんでしてね、ミコレンジャーが、アルビノの髪の毛は幸福をもたらすと、吹聴していましてね、はい。」

「そんなの古い迷信じゃん・・・」
ミコレンジャーと言えば。
「金閣寺躁子、あいつか。」

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