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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/07/19(月) 20:33:32
呪術戦隊ミコレンジャーは、学園に在籍する数多の戦隊でも他に例を見ない、2人だけの戦隊ユニットだった。
うっそうと生い茂る木々で日差しもほとんど届かないような場所。七海は変身を解除する。
「変身するとむれるんだよなぁ。」
七海は学園の森の奥にある小さな神社に来ていた。ここがミコレンジャーの本拠地だ。
七海は1円玉を取り出すと、賽銭箱に向かって放り投げた。
パンと1度手を突いてぺこりと頭を下げる。
願うのは「肌のかさつきが治りますように」だが、1円じゃ望み薄だ。
「・・・あれ?お賽銭入れれば、ミコレンジャーが出て来るって聞いたけど。」
何も起きない。
注意深く見ると、賽銭箱の横の立て札にこう書かれていた。
《 おさいせん は 100円 から! 》
「うげ、1円損した。強欲な神だなあ。」
七海は改めて100円玉を取り出し、今夜のジュースを我慢することを渋々覚悟すると、投げ入れた。
「あ、外れ。」
硬貨は賽銭箱の淵に当たり明後日の方向に飛んだ。拾ってもう一度投げる。
チャリンと言う音。
神社の戸が開き、2人の巫女が姿を現した。
「小豆沢サン、拍手(かしわで)は2度打つものよ。」
金閣寺躁子と銀閣寺佑子。
2人は姉妹の契りをかわし、ミコレンジャーを結成しているのだ。
「変な噂、流さないでくれる?迷惑なんだけど。」
「来るのはわかっていてよ。さあ、あなたの髪の毛を1本残らずむしり取ってあげましょう!」
2人の巫女は変身のポーズをとった。
「変身!」
「ミコゴールド!」
「ミコシルバー!」
金閣寺は金、銀閣寺は銀の戦士に変化する。双方とも滅多に見かけないカラーだ。
七海も少し遅れて変身する。
「コボレホワイト!」
白も相当珍しいカラーであることに変わりはない。
七海はタクトを振り上げると呪文を詠唱しようとした。だがそれより先に。
「封!!」
ミコゴールドとミコシルバーは神具を振りかざし怪光線を放った。
七海は怯むも、特に異変は起きなかった。
「光を出すだけ?本物の魔法見せてあげよっか?」
改めてタクトを振り上げる。
「スパイラルフレアー!!」
だが。
「あれ?」
炎は出なかった。
「不調か?キララ!キララ!」
七海はタクトをぶんぶんと振る。得意技のキララでさえ、うんともすんとも出なかった。
「早く本物の魔法とやらを見せてほしいものね。小豆沢サン、ざぁんねん。あなたの魔法は封じました。安心して?あなたの魔力は、全部、私が食べちゃうから・・・。」
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