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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/08/18(水) 22:33:17

「着いた。」
汽車は戦隊学園の西端にある終点に到着した。
降車するとすぐに戦隊動物園の巨大なゲートが見えた。
「ジュラシック・パーク思い出すな。」
「前まではあんなの無かったんだけどねぇー。広い牧場があって、馬に乗ったりしてた。牧場は潰されちゃったけど・・・」

すると突然、動物のものと思われる咆哮が聞こえた。
「なんだかワクワクしてくるね。」
生徒たちはぞろぞろとゲートをくぐって入場する。
七海と楓もそれに続こうとするも、係員を務める生徒に止められた。
「待て、そこの白いの!」
「白いのって言い方は気に障るんだけど、たぶん私のことだよね?」
七海は応答する。
「なんでしょ。」
「小豆沢七海だな?入園を禁じる!」
係員は出刃包丁のようなものを突き付けた。
「違うよ、私、鰻佐奈。」七海はとぼけた。
「ふざけるなぁ!PPチョウスキー様に、小豆沢七海が来た場合絶対に入れるなと、固く言われているのだ。去れ!」

七海は楓に耳打ちする。
「PPって誰?」
「生物クラスの首席で、ズーレンジャーのリィダァで、戦隊動物園の園長。変人だよ変人!夏なのにパンダのキグルミ、着てんの!」

「去れぃ!」
係員は緑色の戦士に変身した。コックのような帽子をかぶっている。
「野菜は残さず食べろよ!ベジ・切り刻み!」
戦士は猛回転し出刃包丁を振り回す。
「うわ、物騒。」
七海はコボレホワイトに変身すると出刃包丁の刃をピッと掴み相手の腹を蹴り一撃でダウンさせる。

「シェフグリーン!」
4人の戦士たちが駆け寄って来た。
赤・黄・オレンジ・茶色とカラフルだ。戦士たちは包丁や泡だて器、ピーラーを持って七海を取り囲む。

「厨房に居るはずの三ツ星戦隊シェフレンジャーともあろうあなたたちが、何でこんな辺境の番人をさせられているの?」
しかしこれでは分が悪い。

七海は変身を解除した。

「きっとPP何とかは、金閣寺躁子や赤鵬楼太郎(ろうたろう)を下した私を快く思ってないんだね。いいよ、私、帰るから。」
「七海ちゃん!」
楓が引き止める。
「ほら、やっぱりあなたが安心してって言うのは信用できない。」
「えっ、そんな言い方無いじゃん!あたしが悪いの?」
「知らない。」
七海は楓を1人取り残し、足早に駅に戻る。

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