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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/08/27(金) 02:05:03
夕暮の戦隊学園、七海と楓は授業を終えて寮への道を歩いている。
「ちょっと近道してみようよ!」
「近道かどうかわからなくない?」
学園の敷地は広く、校舎から寮までの道のりでも通った事のないような抜け道が多々ある。
もしその道が意図せぬ場所に続いていたなら、それは近道というよりむしろ遠回りになるし、最悪迷子になりレスキュージャーを呼ぶことになるだろう。
だがその時の七海は気分もよく、例え回り道になったとしても少し冒険してみたいという心持だったので、楓の提案に乗ることにした。
「いいよ。もし迷ったら夕飯おごってね。」
「おけ!」
用具倉庫裏の狭い道を歩いていく。
「ねぇっ!やっぱここ行き止まりだよ!引き返したほうがいいよ。」
「大丈夫だって!ほらここに抜け道が・・・」
楓が指さすところ、フェンスが一部壊れて先に進めるようになっていた。
「よいしょ」
フェンスを跨ぐと広い道に出た。
「見たこと無い道だ・・・」
校舎でも体育館でもプールでもなく、七海たちの住むような質素な寮とも違う、ホテルのような荘厳な建物が在った。
「楓、ここ入っちゃまずい所だよ。嫌な予感がする、引き返そう。」
だが予感よりも遥かに早くその事態は起きた。
建物の自動ドアが開き、中から天堂茂とポンパドールの背の高い女子が出てきた。何か話している。
「まずいっ」
七海は楓の手を引いて隠れようとする。だがそんな間は無く、すぐに天堂茂の目が2人の姿を捉えた。
「ほほう、落ち零れが、此処に何の用だ?」
天堂茂はせせら笑った。
「落ち零れって言うなし!たしかにオチコボレンジャーだけど」楓がすぐに言い返す。
「此処がどんな場所かわかっているのか?各クラスの首席やエリートだけが使用を許された、VIP専用寮あかまつだ。お前ら落ち零れは立ち入りさえ許されていない筈だ」
「あ、そ。」
七海は返答する。
「落ち零れだけど9勝してるから。あと1勝であなたたちに並べる。最も、あなたたちはお金で勝ち星を買ったんでしょうけど。」
「調子乗んな、うざい。」
それに言い返したのは天堂茂でなくポンパドールの女子。
「圧倒的不利ってわかっているの?タキオンジャーに勝たない限りあんたたちの決勝進出は無い。もし万分の一の確率で勝てても、決勝では茂たちのエリートファイブが勝つに決まっているでしょう。醜い女って、哀れね。」
飛び掛かりそうな楓を抑えつつ七海は悪口の応報をする。
「天堂茂の飼い犬になって嬉しいの?ポンパドーデス。」
「ポンパドールです。何でその名前浸透してんの?本名で覚えてよ!茂、こんな奴らほっといて行こう。」
「まぁ待て。躾のなっていない野良犬共は此処で痛い目に遭わせる必要があるな。」
天堂茂は真っ赤な戦士、エリートワンに変身する。
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