スレ一覧
┗
193.『戦隊学園』制作スタジオ
┗244
244 :4
2021/08/27(金) 02:09:48
毎週水曜日は佐奈の部屋にオチコボレンジャーの面々が集まり、全員で夕飯を食べるのが恒例となっている。
何故女子寮の佐奈の部屋かというと、佐奈は無断で七海と楓の部屋の真下の部屋を借用しているからであり、もしバレたら停学ものだ。
だが今日は楓の姿が無かった。
「楓どないしたん?いつもはノリノリで来るのに。」
「具合悪いブヒかね?」
心配する男子勢。
佐奈は尋ねた。「七海さん、何か知ってるでしょ。親友同士なんだし。」
「知らない。」
事実、楓が急に口をきいてくれくなった理由が、七海にはわからなかった。
天堂茂に酷く馬鹿にされ不貞腐れているのだろうか。
「何だろうな・・・楓の青が、いつもより澱んでいたようには見えたけど。とにかく今日は来ないと思う。」
「ブヒ~!待ちきれないブヒ!」
4人の囲むテーブルにはタコレンジャーから注文した大盛りタコライスが並んでおり、これ以上待つのは毒だ。
「冷めちゃっても勿体ないし、私たちだけで食べよっか。いただきます。」
七海の詠唱に合わせて他の3人も「いただきます。」
豚之助は凄い勢いでタコライスを口の中に詰め込んだ。佐奈と公一ももぐもぐと食べている。
七海もそれを口に運ぶ。
だが味がわからない。味覚が失われたわけでは無い、美味しいのだろうがそう感じない。
「七海さん、クソまずそうに食べんね。」
「せやな、絶対楓のこと考えとるやん。」
「もろバレか。」
七海は箸を置き、天堂茂に喧嘩を吹っかけられたこと、その喧嘩を買って旗色が悪くなったこと、対峙中に急に楓の様子が変になったことを3人(豚之助は食事に夢中で聞いていなかったので実質2人)に話した。
「――将来キャバレンジャーになるって酷いけなしてた。あいつ下賤な貶め方するよね。ショックだったのかも」
公一と佐奈は顔を見合わせた。
「ねぇ、言いたないねんけど。楓を傷つけたのは七海、お前やな。」
「え?」
七海は理解に及ばない。
「私なんか悪いことした?」
「楓のねえちゃんはキャバレンジャーや。」
七海は目を白黒させた。
「理解が追いつかない・・・待って何でそんなこと知ってるの?私には一言も・・・」
「うちも聞いた。」と佐奈。「七海さんにだけ話さなかったのは、好きな人には知られたくなかったんじゃないかな。見栄を張ってたっていうか。あのこ意外とプライド高いから」
七海は愕然としていた。
「私は楓のことを何も知らなかったんだな。」
[
返信][
編集]
[
管理事務所]