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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/08/27(金) 02:12:57
「おじゃまします。」
「何や?こんな夜に妖怪か?」
「妖怪じゃないよ、私だよ。静かにして、バレるとあれだから」
「七海!!」
「静かにったら。」
公一はチェーンを外してドアを大きく開き、突然の訪問者を招き入れた。
「田無くんは帰省中なんだよね。」
「せやで。実家の農村戦隊イナゴレンジャーの手伝いに帰った。1人部屋快適や。」
廊下とこざっぱりした洗面所。ふすまの奥は寝室だろうか。
「あ、ちょい待って!」
公一はふすまをちょっとだけ開くと部屋の中に入り、パタンと閉めた。
「なおさなあかんもんがある!」
「直す?」
七海は何か修理する物があるのだろうかと勘ぐった。
「見せてよ。」
ふすまを開く。
「あっ!開けるな言うてるやろ。すぐなおし終わるから・・・」
公一は中からふすまをぴっちり閉めた。なおすとは片づけるの意。公一は自室を見られたくないらしい。
「終わった。もうええで」
七海は部屋に足を踏み入れた。
きっちり物が片付いており七海と楓の相部屋とは大違いだ。
「で、何で俺の部屋に来たん?」
「察して。」
「楓と喧嘩したんやな。お前の性格やから素直には謝れないやろうし。」
「あたりです」
七海が話す前に公一はその心を読んだかのようにするすると七海と楓の間に起こった出来事を当てて見せた。
「まぁそれはお前が悪いな。楓の家は貧乏で、ねえちゃんは楓の学費のために一所懸命働いとるんや。それも知らへんでキャバレンジャーは悪いって決めつけたお前が悪い。」
「だってさ、知らなかったんだもん。」
七海は口ごもる。
「とにかく今夜はここで寝かせて。あっ馬鹿した。枕とか服とか置いてきちゃった!取りに帰るのも気まずいしな。」
「あほやな。もう謝りに行ったらいいんとちゃう?」
「やだよ、公一が謝ってよ。」
「なんでやねん」
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