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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/08/27(金) 02:14:03
何を思ったのか、七海と公一は1つの布団で入床した。
七海はkezuriを起動していた。
『怒ってる?』
『私が偏見を持っていたのも事実だけど、あなたを傷つけるつもりが無かったのも事実なの。もう一度友達になりたいんだけど、どうしたら許してくれるかな?』
ぽつりぽつりとつぶやいた言葉が文章となり楓のスマホに送信される。
それを聞いていたのか、隣の公一がもぞもぞと動く。
「起きてる?」
「起きてんで。」
「私ってさ、性格悪いと思う?」
辺鄙な質問に公一は「悪い」と即答した。
「でも嫌いじゃないんやで。確かに刺々してるけど人間らしい性格やし、周りに流されるよりいいと思う。」
「・・・ありがと。でも私は自分の性格嫌い。」
「そうなん?」
「まぁこれでも大分丸くなったなって思う。中学の時は口より先に、手が出てた。友達なんて1人もいなくて、誰も私をいじめさえしなかった。私の陰口ばっかり叩いてる女子が居たの。そいつすっごくいじめられてんのに他のインキャとつるんで、わざと私に聞こえるように白いとかきもいとかって言った。酷いでしょ?でさ、私。通学路ですれ違いざまに傘でそいつぶん殴った。本当にカッとなって、何発も叩いて、血がドバドバ出た。すぐに捕まって補導された。そりゃ、手を出した私はいかれてるよ。でも相手にも非はあった。いじめが蔓延しているクラスを作り上げたクラスの全員、そして先生も同様に悪いと思う。私は加害者にされたけど、すっごく傷ついたの。すごく・・・」
七海は自分が涙を流しているのに気付いた。
鼻水をすする。
楽しいことで上書きしていた辛い過去が、辛い今と重なって浮き彫りとなる。親友を失ってしまうのはつらい。
「こんな話してごめんね。思い出って大嫌い。」
「思い出が嫌いなんは、昔の自分が嫌いなんちゃうかな。」
公一は冷静にそう答えた。
「思い出は変えられなくても、今は変えられるやろ?」
「・・・。」
公一は七海をぎゅっと抱きしめた。
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