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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/08/27(金) 02:19:46

「どうなってんだよッ!」
「うるさいですねぇ。」
「みんなはどこ?」
「現在確認中ですね。私からはお答えできませんねぇ。」
寮の“跡地”のすぐ近くで、質問攻めにあっている禿げ頭は、使えないことで有名な教頭の世川英秋(せがわ ひであき)ではないか。

「世川や。あいつが何か知ってるかもしれへん!」
「信用に足る人物では無いけど。」
七海は彼に詰め寄った。

「教頭先生、タキオンジャーの狙いは学園の制圧です!戦-1の即時中止を!」

世川は壁にもたれかかりながら話す。
「話が飛躍しているねぇ。進言する時はまず手を挙げなさい。話の割り込みは禁物です。戦-1は続行です。学園の1大イベントを、たかが一部の生徒の行方不明だけで、中止にはできませんからねえ。」

「人命を何だと思ってるの?20年前、ウィルスが蔓延する中オリンピックを強行して、多くの人が死んだ。私の友達がいなくなって、無事かもわからない・・・」

「そう言われてもね。校長は、戦-1の完結を望んでおられる!私の一存では決められないのですよねぇ。」

「クソッタレ。」
「七海さん、たーいへん!」
佐奈が走ってきた。
「何?」
「kezuriで豚之助から連絡があった。ロボットが校舎を破壊してるみたい。」
「えぇ!?」
「こっちだよ!」
七海・佐奈・公一はコボレボードに乗り校舎を目指す。
流石に3人も乗るとぎゅうぎゅう詰めで、乗り物はのろのろと進んでゆく。
広い敷地内でも迷うことはなかった。立ち昇る黒煙を目指して進めばいい。

ウーウーというサイレンの音。
「ブヒ~!七海ちゃん!」
校庭脇で大きく手を振る豚之助の姿があった。
七海はコボレボードを乗り捨て状況を視認する。校庭に居たのは青と白のネオンが特徴的な巨大ロボ。
「あんなのメカ之助になっていちころでしょ。」
「ち、違うブヒ!あいつは味方ブヒ~!」
「え。」
ドォンという鈍い音。
そのロボは何者かの砲撃を受け倒れた。
直後にプロペラの付いた緑色のロボと猫の形をしたロボが飛び上がるも、これも得体のしれない者の攻撃を受け沈む。

校舎の影から真っ赤なロボが現れた。
他のロボとは比べ物にならないほど、でかい。
しかし何ともかっこう悪い。
つぎはぎだらけのボディ、ギシギシと軋む金属音、キャタピラで走行している。動きながら今にも崩れそうだ。
だがその破壊力・火力はぴか一だった。腹部の砲門が火を吹くと、校舎の残された鉄骨は忽ち吹き飛んだ。

破片が降り注ぐ。
「ブヒ~!」
「あれがタキオンジャーのロボ?」
「見てみる。」
佐奈は小型のオペラグラスのようなものを取り出しロボに向けた。
「胴体にはエリートキングって書かれてるね。」
「エリートファイブのロボ?あのガラクタの何処がキングなんだか。操縦者は天堂茂?」

佐奈は頭部にグラスを向ける。どうやらそれで操縦者を透視できるらしい。
佐奈はグラスを下ろした。
かなり追い込まれたというような顔をして。
「操縦者は、誰だった?」
「楓。」

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