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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/05/23(日) 00:07:18
屋上に並ぶ100人近い生徒達。私は皆の色を感じ取ることができた。
「あの子は緑、あの子はピンク。」
でも、1人だけ、どうしても。
「あの子はちょっと変わった紫かな。」
どうしてもわからない、色がある――
「私は、何色なんだろ。」
自分で自分の色は認識できない。
あでやかな赤か、豊かな青か、張り詰めた黄色か、迷いの無い緑か、それとも――
「七海ちゃん!」
「いてっ」
私は楓にギュッと頬をつねられて我に返った。
「自分のワールドから帰ってきて!これからみんなで変身するみたいだよ!」
「トゥッティ!」
先生が指揮棒を上げた。
「ワン、トゥ、スリッ、フォッ!」
四拍子そして。
「変身!!!!!」
全員が一斉に詠唱した。
私は一呼吸遅れてガクセイ証の裏面に声を吹き込む。
「変身!」
冷水の中に頭から突っ込んでいくような感覚。
頭のてっぺんから踵まで、今まで感じたことのないような力に包まれ、研ぎ澄まされる。
私の体はスーツ、いや、オーラのようなもので覆われていた。
身体は今まで通り動かせる。
顔の部分はマスクに覆われているものの、視界はいつもと変わらなかった。
「俺赤だ!うっし!」
「黄色だ!びみょーかよ!!」
「あっピンク~かわいい!」
皆それぞれに変身の成功を讃えあう。全員が各色のマスクとスーツ、グラブとブーツに包まれており、もはや誰が誰だかわからない。
私の目の前には濃いめの青に包まれた小柄な戦士が立っていた。
「やほ!見てあたし本当に青だ!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねているが、私を見るなり。
「七海ちゃんは・・・あ!」
「おい見ろよ!」
赤い戦士がこちらを指さして笑っていた。
「なんだありゃ!変身に失敗したのか?」
天堂茂の声だった。
周りにいた男子生徒たちもぎゃははと笑う。
私は真っ白い戦士になっていた。
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