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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/05/23(日) 00:19:04

「敵を倒すのは、昨年の戦隊対抗運動会で1位を極めた、臨界戦隊ゲンカイジャーなり!」
「違う!海魚戦隊ヒラメイジャーだ!」
「便乗戦隊リュウコウジャー・・・」

昇降口の前では戦隊達が取っ組み合いの喧嘩をしていた。まるでカラフルな混ぜご飯の様だ。
「こんなこと、してる場合じゃないのに。」
私は1つ溜息をつく。
「手柄欲しさの烏合の衆だ。就職に有利になるからね。」

「道を開けてもらおうか。」

志布羅一郎はまるで進路には何も無いかのようにスタスタと歩いた。
すると人波は見えない力に弾かれたふうに道を開けて行った。私は、海を切り開いて渡る伝説の話を思い出した。

「あれは・・・」
「レジェンドレッドのお出ましだ!」

志布羅一郎は異能を駆使することなく、存在感のみで生徒たちを後退させていた。
私はその背中にくっついていく。

「あの白いのは誰だ?」
「白の変身なんて見たこと無い・・・入学式のへんな子じゃない?」

「へんな子ね、どうも。」

校庭ではあちらこちらから煙が上がっていた。
他の校舎から青・黄・緑・ピンクの4人の戦士が現れ、私たちに合流する。
「羅一郎、それは例の娘か?」
「そうだ。」
青い戦士は私のつま先から頭まで目線を移動させたのち、
「小豆沢七海、あのちいさな子供がついに変身を覚えたか。だが即戦力になるとは思えない。大丈夫なのか。」

「もちろん。」

志布羅一郎は4人の戦士たちの顔を見回し、次に私の方を向いた。
「紹介は、事後だ。」
4人は背格好からして全員志布羅一郎と同じく大人のようだ。
「よろしくお願いします。」
私はぺこりと頭を下げた。

「戦士としての名は、ホワイトだ。では名乗るぞ。」
「名乗り・・・この状況でですか?」
緊迫した状況下、いったい誰のために名乗ると言うのか。

「名乗りは戦隊の力、チームワークを高める儀式のようなものだ。これがなくちゃあ始まらないんだよ。」

私たち6人は横一列に並び、目の前の校庭、その先の森にそびえたつ砲台を睨んだ。
「あれが目標だ。学園を脅かす敵を殲滅する。」
その瞬間、砲台が炎を吹いた。

「レジェンドレッド!」
「レジェンドブルー!」
「レジェンドイエロー!」
「レジェンドグリーン!」
「レジェンドピンク!」

「レジェンドホワイト!」

「学園守護隊、レジェンドレンジャー!!!!!!」

私たちの後ろで爆炎が起きた。

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