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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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60 :17
2021/05/23(日) 00:21:30

「Forward March!」
レッドの号令の下、6人の戦士が校庭を行進する。

ぽつり、と水滴が頭のてっぺんに落ちた。
「雨?」
空は灰色に濁り、ぽたぽたと雨粒を垂らし始めた。
「雨は初めてだ!雨女かいあんたは?」グリーンがきゃらきゃらと笑った。

すると突然目の前の森から、迷彩服と覆面の兵隊がワッと出た。
レッドは立ち止まると指揮棒でチームに指示を出す。
「Horns Up!」
私以外の4人の戦士はそれぞれ楽器のような武器を構えた。
「Blue!」
ブルーはトランペットのような武器を構えていた。
口元にマウスピースを当て、パァンと大音量を噴き出す。
「ぎゃあ!」
爆音を受けた兵隊は全身を挫滅する。
「Yellow!」
イエローはバスドラムだ。
鼓を打つと低い地響きのような音がして、森の木々がボキボキと倒れ砲台までの道を作った。

雨天のマーチングである。

またもや兵隊がうじゃうじゃと湧き出す。
「次は君だ、White!」
「え。」

指揮棒は私に向けられていた。
雨はざぁざぁと振っている。私は動けない。

「僕は君のことを知っている。君が幼いころ、君の姿、そして能力を1度見ている。遠慮はいらない。存分に君の力を発揮しろ。敵を倒すことだけを考えろ。」


私は無残に殺された楓の姿を思い出した。

私は左手を敵に向ける。
「マズルフラッシュ!」
手から火柱が走り、兵隊は真っ黒になり転げた。

「あ、あれは何だ」ブルーはトランペットを取り落とした。
「今やつの体が・・・いや、まさかそんなはずは・・・」

私は木々の間を駆ける。
「砲台に近付かせるな!」
「ザッピング!」
次に私は体から放電した。雷撃が空間を捻じ曲げ、無数の兵隊は悲鳴を上げながらバラバラになった。これは故障したVHSの画面を見ている様だった。

「やっぱりそうだ、違いない。あれはどういうことだ羅一郎。」
「驚くべきことだ。だが、馬鹿げたことではない。あれが小豆沢七海の能力だ。」
「過大評価ではなかったか。」


その時の私は、赤に、青に、黄色に、次々に色を変化させていた。
色が変わると技の形状も変わる。つまり私は、総ての属性の力を自在にすることができたのである。


「Ready Halt!待て七海!」
後ろから声がする。だが私は無視し、感情のままに水溜りを踏みつけ走った。

私は西の砲台に到着した。
「ショットマンとは比べ物になりません!」
「では我が直接相手になろう。」
大ボスが、錆びた階段を降りて来る。

「イヤー軍・将軍プリエールである。」

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