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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/06/04(金) 23:09:51
焦げ付くように熱く、息ができないほど重い。
刃でみぞおちを抉られる。体がよじれ、感覚が痺れていく。
「っっっっ!!!」
私は悲鳴を押し殺し、歯を喰いしばって耐えた。
痛い、怖い、苦しい、やめて、助けて、許して――そんな弱音は、絶対に口にしたくない。
「カワイイ顔が台無しじゃんかぁ。ブッさいくぅ。泣き叫んで、命乞いするのが見たいのぉ!」
次に私は毛髪を掴まれ、無理矢理起こされた。
ことのほか大きい手だと感じた。
相手は女のはずだ。だが私の足は地面を離れ、宙ぶらりんになった。相手は剛力で、背が高い。
「なーなーみちんっ」
鼻の頭に生暖かい息がかかる。
不気味でどこか、甘美な吐息。私の顔のすぐ近くに相手の顔があるようだ。
「かわいいいい!!」
バキッとすごい音。私は殴られた。
鼻がひん曲がり、口の中が血の味で一杯になった。
仰向けに倒れる。
目は見えないが、日差しが私を照らしているのがわかった。メラニンの無い私の肌が、焼けるように痛む。
私は死を予期し、声を枯らして、叫んだ。
「学園が総力を挙げれば、あなたなんて、て、敵じゃないから!」
その時の私は威勢がいいというよりむしろ、雑魚の台詞を吐いているようだった。
「・・・ふぅん。いいね、今の。必死さが伝わってキュートだよぉ。」
相手はけらけらとか細く笑う。
そして。
「じゃあアタシ、もう行くから。」
「え?」
邪悪がフッと、私の傍から消えた。
「どこ!?」
完全に消えていた。
敵は私にとどめを刺さずして、去ったというのか。
再びの静寂の後、絶望的な音声が流れた。
『イヤー敗北により、Mt.マンスは1分後に爆破される。誰も、生きては出られない。絶望を、恐怖を、感じて、しね。』
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