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193.『戦隊学園』制作スタジオ
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2021/06/04(金) 23:23:11

「やあやあ。」
楓は私の隣にちょこんと腰かけた。
「ここ、お昼になると人ヤバイよ。あたしいっつもせり負けてどん尻なんだぁ。」

今は授業時間のはずである。

「まさか楓も・・・?」
「そ、あたしもおサボり!」
楓は自分の耳たぶを触りながら照れ臭そうに笑った。
私は何と言おうか迷いながら購買のほうを見て黙っていた。少しの間言葉は交わされなかったが、楓が「あたしさ!」と言う。

「あたしさ。戦隊のこと、かっこいいヒーローって認識しかなかったんだ。未経験でもやる気があれば何とかなるって。でも結局は、実力がなくちゃやっていけない。周りはもう戦隊ユニット組んでるのに、自分だけ1人ぽっち。あたしは力不足だって、そう思っちゃった・・・」

楓のトーンはいつになく暗かった。

「あたし、落ちこぼれって言われたんだ。」

「そっか。」

私は思ったことをそのまま口にした。

「私も落ちこぼれ。すぐカッとなって自制できないし、いつもトラブル起こしてばかり。集団から落伍した少数派。でもさ、落ちこぼれでもいいじゃん!私、七色の虹になりたかった。でも1人じゃ意味ないの。カラフルなみんなと虹になりたい。」

転がり込んだ幸運よりも、今度は自分で掴み取る。

「前にも一度言ったの覚えてくれてるかな?一緒に戦隊ユニット組もう。」

すると、楓は勢いよく立ち上がった。
「その言葉を待ってたぞ親友!ユニット名は?」
私は飄々とした態度で。
「オチコボレンジャー。」
「最高!それに決定!」

「購買開店で~す!」

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