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253.バカセカ番外編スレ
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10 :露空
2022/03/29(火) 18:33:34
「奏芽、危ない!」
咄嗟に叫び、奏芽を抱き寄せる。
「何だお前っ……」
僕らの後ろには、背景と同化しそうなくらい真っ白な体の化け物がいた。
この色はアイボリーというのかもしれない。
攻撃力だけで言ったら僕の方が強い。
「まずは炎」
利き手の手のひらに集中し、使う能力の名前を言う。すると、真っ赤に燃焼する炎が発生する。
振りかぶって野球のボールを投げるように手を振ると、炎の塊となり飛んでいく。
敵がジュワッという焼ける音がした。
次に、奏芽がふわりと手のひらを舞わせる。
彼女の能力の一つ、闇を作っている。
力と時間をかける事でより大きく壊れにくくなる物だ。
壊れるとは、一定量の光を吸収し闇が闇でなくなる事。壊れにくくするには長い時間集中して力を込めなければならない。
「よし、完成した!」
闇の大きさは敵の頭がすっぽりと入るくらい。それがあるところは全ての光が無いため、とても暗く、黒く見える。
闇を使う時は僕の光の能力は使えない。炎と雷だけで戦っていた。
闇が放たれる。見事命中し敵の頭は闇の中だ。
「霞月!ごめん、止め刺して……」
闇を使うと目眩がするそうで、暫く動けない。
僕はぎゅっと目を瞑って、心臓部に雷で止めを刺した。
敵が倒れる。
次の瞬間、敵が負った傷は綺麗に消え、体が透けて見えなくなる。奏芽もその様子を見ていた。
「今の何……?」
「わからない。でも、あれはまともな生き物じゃない。攻撃した時の反応からして、痛覚もほとんど無いかもしれない。つまり、この世界も僕らの世界とはだいぶ違うって事だと思う……」
奏芽も言った自分も顔から血の気が引くのを感じた。
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