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253.バカセカ番外編スレ
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20 :げらっち
2022/07/30(土) 01:30:00
ルルは校庭に着地したが、直後めまいがして、変身が解けた。
「あれ……?」
キョトンとしたのも束の間、白い地面にグシャッと押し潰された。
「うぎゃ!!!」
おかしい。
いったい何であろう、重力とも引力とも魔法とも違う。
ルルの周りに散らばっていた白い瓦礫は、音も無く飛んで行き、破壊された壁にまとわりついた。校舎は傷ひとつなく修復された。
謎の圧力により地面になすりつけられているルル。
エアコンが寡黙にすり寄ってきた。あれだけの火力で焼かれても、白い頭部と半透明の胴体は生まれたてのようにまっさらだ。確かにルルには、敵を焦がす時のいつもの手応えが感じられなかった。
魔法が、通じない。
それもそうだ。ここはルルの属する世界とは違うのだから。
別のセカイに来た途端、元の世界の法則は文字化けし、判読できなくなる。どんなに強い魔力でさえ通用しなくなる。
変身を解かれ、身動きもできないルルを、エアコンは炙ろうとした、だが、
「TAスパイラルスノウ!!!」
何処からか真っ白い螺旋が飛んだ。エアコンは炎風で迎え撃つ。ルルの真上で炎と氷がぶつかり合い、ドンと振動が走った。なんという氷点下、炎はパキパキと凍り付き、粉砕されていった。白い氷片がルルに降り注ぐ。氷雪がエアコンにぐるんと巻き付いた。
「終われ!!!」
ガチン、とエアコンは大きな氷の結晶に包まれ、弾け飛んだ。
「だ……れ?」
ルルは強力な磁石にくっつくマグネットのように地面にへばりついていたが、徐々に圧力が弱まるのを感じ、立ち上がった。
向こうから、真っ白い世界に溶け込んでしまうような、真っ白い少女が歩いて来た。
「ルル、久しぶり。こんなに早く再会するとは思わなかったよ。」
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