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253.バカセカ番外編スレ
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3 :露空
2022/03/07(月) 22:05:06

夕方。人の行き交う駅前。
「さぁて、こいつには」
僕は、手のひらから眩い光を放った。閃光弾のようなものだ。殺傷能力はもちろん低いけれど、足止めにはなる。
「霞月!ごめんね、今行く!」
遠くに見えたのは、いつからか僕と同じく奇っ怪な能力を授かって『しまった』奏芽だ。
「周りの人は安全な方に誘導してきた。帰宅ラッシュの前に終わらないとね」
犯人が軽い失神から目覚める。
「カッターナイフ?だめだよ、そんなの振り回して。預かるから」
奏芽は指先で自在に水を操り、反抗する犯人から凶器であるカッターをもぎ取った。「お前は警察行きだ。これ以上暴れるなら雷で痺れさせるけど」
初めの頃、と言っても一か月ほど前。
変な能力を持ってしまった僕と、何故か同じ境遇だったクラスメイトの奏芽。
彼女の誘いで一緒にヒーロー……として今みたいに犯人の取り押さえなんかをしている。あくまで、傷もあまり付けない程度に。
僕の性格もあるだろうけど、本当に能力の事は悩んでいた。バレたらどんな事になる?仮に人前でこれをやってしまったら?うじうじ考えていても意味は無いとわかっていたけれど。
奏芽はそんな素振りを見せなかった。
人の為に使える力を持ち、どこか嬉しそうでもあった。できることを増やして成長させて、なんだかんだで順調な毎日だとも思えるようになっていた。

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