Yahoo!ショッピング

スレ一覧
253.バカセカ番外編スレ
 ┗53

53 :げらっち
2022/10/06(木) 22:58:34

《ルル視点》

リリが痛めつけられている。
助けないといけない。姉として、母として、神として。

「もうやめてください! 急にどうして?!」

私はひなたに尋ねた。
すると彼女はデスマスクを顔に貼りつけ、こちらを見た。その表情は、憤怒や冷酷が愛しく思えるほど、一徹した無であった。
「リリが蘭に攻撃をした」
「そんなことしてません!」
していないはずだ。むしろひなたがリリを挑発したのが事の発端であり、リリはひなたに対し攻撃した。ひなたはそれを理解していないのだろうか?
だがひなたは「そうみたいだね」と答えた。リリが蘭に攻撃していないと理解した上で、リリをいたぶっているのか?思考パターンが読めない。

「冤罪だろうとなんだろうと、罪は罪。有罪が決定した時点で罪人には贖罪の義務が発生する。例えリリが罪を犯していないのだとしても、それを判断するのは罪人ではなく裁定者であり剪定者である私。全ての決定権は私に帰結する」

私には9割9分9厘イミフだった。
じゃあ痴漢の冤罪は、疑われた時点で黒なのか?いじめられた者は、いじめられるほうが悪いのか?
強者を軸にするなど最低な裁定だ。そう思ったので私はひなたを睨んだ。ひなたは睨み返すどころか底抜けの無表情だった。その容器に、感情は盛られているの?

「やっと心を開いてくれたと思っていましたが、気のせいだったみたいですね」
私はキズナフォンを手にする。

                         「そうだ、その魔道具使えるようにしてあげる」とひなた。

何か、一瞬ラグがあったような。まあいい。
「コミュニティアプリ起動!!」
ファイアが鎧となる。
「わからず屋さんには実力で教えてあげます。私も強いってことをね!超炎魔法アトミックフレア!!」
私は両手を天に掲げ、巨大な火の玉を生み出す。どんどんこねこねして大きくする。これは多分、核くらいの威力がある。小国なら一撃で滅ぶ。
「いっせーのっ!」
私はそれをぽーんと放る。ハンドボール投げは苦手でスポーツテストでは5メートルしか飛ばないという奇跡の結果を残しているが、まあ今は関係ない。核はシュルシュルとひなたに向けて飛んだ。いっぺん滅びりゃ目が覚めるでしょ……
と、それを妨害する者が居た。

ゴンッと、大きな火の玉がぶつかった。
「めんどくせぇ。あの不味い飴と一緒に返してやるよ!」
ひなたを守護する者だ。蘭だ。太陽と太陽のぶつかり合いだ。やがて私の太陽は押し負けた。

自慢のアトミックフレアを返品された。

「いいやー!私より強い炎なんて!!」

爆発というか、もっと研ぎ澄まされた、「爆」というような破裂が起き、私は、細胞レベルまでバラバラに――
されなかった。
私が目を開けると、白い迷路の一角に倒れていた。周囲の壁が粉砕されている。
きょろきょろと辺りを見回すと、リリが居た。瓦礫の下敷きになっている。
「リリ!ファイアファン!」私は炎風で礫を吹き飛ばした。「無事?」
「まあなんとか無事。あなたをマジカルバリアでアイシングしておいた。だからあの熱波の中で死なずに済んだんだと思う。」
リリは目を、手で覆っていた。
「目、どうしたの??」
「光でやられた。私目弱いのにさ、太陽を2つも出さないでほしかったんだけど……」

あ。

「ごめんんん!!!」

[返信][編集]



[管理事務所]
WHOCARES.JP