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253.バカセカ番外編スレ
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72 :げらっち
2022/10/29(土) 15:37:51
今の私には、何も無い。魔力も無い。
それでもできることがある。
私は手探りで進んだ。
ここは確か、迷路だった筈だ。
神がかりズが道を壊したり作り変えたりそもそも無視するようになったのでルールが忘れられたが、本来なら道なりに進んで攻略せねばならない。壁を越えようとすると、ペナルティがあった筈。
それを利用させてもらう。
私は瓦礫を足場にして、迷路の壁を登った。
てっぺんに到達すると。
ドクッ
心臓が突然、激しく拍動した。
地面から見えない手が伸びてきて、私の体をむんずと掴んだ。エッチ。この力はあくまで、私を規格に引き戻すためのもので、致命的にはならない。でも、そこに私自身の余力も加えれば。私はくるんと後転し、頭から、地面に落ちた。
ドカン!!
頭が割れそうに痛んだ。いや、実際、割れたかもしれない。
痛みは途中で消えた。痛みは生きている証なので、それがストライキしたということは、生きていないということだ。
私の考えが正しければ……
「見えた!!」
周りが見えた。
360℃全て見えた。
パノラマだ。
臨死体験をした者は、先天盲であっても、視界を獲得し、時に体外離脱し、遠くのものを見に行くことさえできる。空想のようなお話だが、実例がある。生き返った者による体験談がある。医療や科学で解明できないことは数多く、それは文学で補うので、空想は必ずしも現実とかけ離れてはいない。
それでも空想世界のようだ。私は宙に浮いて、全ての方向を一度に見ている。
真下には、私が居た。うつ伏せに倒れていて、頭が血で真っ赤に染まっている。大嫌いな自分だけど、なんだか可哀想だ。ごめんね。
今の私は体が無い。私が視点主であり、視野の中心だ。
ちょっと高い所に行ってみよう。私の視界はグーンと上昇した。セカイを見渡せるくらいに。お天道様のようにセカイのてっぺんにきた。
迷路は、だいぶ荒らされていた。あーあ、あの3人のせいだ……
塔のうち1つはまだ立っているが、1つは根元から折れ、1つは爆心地となっている。この爆風が私を負傷させたようだ。そして瓦礫のハザマに、壊れた3Dプリンターのようなものが挟まっていた。もしかして、あれが、私たちの偽物を作った元凶?爆発に巻き込まれたのか破壊されてるっぽいな。
更に、もう1つの塔があったと思われる空間には、ぽっかり穴が開いていた。
ルルたちはどこだろう。多分、負けてはいまい。1つだけ無傷の塔の中に、居るのかも。
そして塔たちの中心に位置するのが、この円錐。
私は円錐を見た。
ショック死するとこだった。
まあ、もう半分死んでるので、そんなことは起きないが。
円錐の建物は、顔の塊になっていた。
顔、顔、顔がぎっしり。何個あるんだろう。数えるのは不可能に近いが、まあ数万はある。
さっきまでは無機質な建物、或いは黒 に見えていたのに。いつの間に変化したんだろう。
いや建物が変わったんじゃない。私が変わったんだ。私の視界が、通常の目線から共感覚に移り、更に臨死の目となった。
であればこれがセカイの真の姿か?
なんて悲しくて、痛いのでしょう。
私には彼らの正体が、わかった気がした。
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