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253.バカセカ番外編スレ
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77 :げらっち
2022/11/01(火) 16:50:08
「ん??」
私は後ろをちらりと見た。
私が通り過ぎる傍から、壊した筈の壁が、次々に修復されていた。これでは私が走りながら迷路を直しているみたいだ。
不可解だが、よく見ると、白い何かが私を追いかけていた。そいつが迷路を再生させながら走っているのだった。
そいつはシュレッダーのようだった。学校で見かけるシュレッダーとサイズは同じだが、図太い足が生えていて、その短足をフル回転させて、私をストーキングしてくる。
「いいやー!何ですかこれは!!新手のゴキブリですか!?」
『奴らを○○錐には近づけるな。』
シュレッダーが喋った。町内に流れる防災情報のような、どこにも特徴の無い声だった。
『奴らを△△錐には近づけるな。奴らを□□錐には近づけるな。』
言っている内容が、よくわからない。
「おおっと!?」
私はずっこけそうになった。後ろを見て走っていたから、目の前の障害物に気付かなかった。
大きめの3Dプリンターが、落ちていた。子供が入れるような大きな物だった。私はバランスを崩しながらそれを避けると、ケンケンし、体勢を立て直した。
シュレッダーはそれに真っ直ぐに突っ込んだ。ガガガガと、工事現場のような騒音がして、3Dプリンターはシュレッダーに吸い込まれるように切り裂かれた。
「家電バケモノ同士の仲間割れですか?」
するとシュレッダーの口から、風船が膨らむように、プワッと、白い粘土のようなものが起き上がった。
シュレッダーは迷路のみならず、家電バケモノさえも再生させた。破砕するのが仕事なのに、その逆をするとはへそ曲がりだ。
巨大なバケモノが生まれた。
エアコンに洗濯機、ルンバにテレビ、冷蔵庫に3Dプリンターがごちゃ混ぜになって、不気味な塊になっている。シュレッダーはそのしっぽ部分にくっ付いている、オマケと化していた。
そして頭部には、取って付けたように、霞月の顔が乗っていた。
バケモノの融合体は、ぽーんと跳ねて、私の目の前に着地した。つぎはぎだらけの腕をガバっと広げ、通せんぼのポーズをとる。
『主の所に行きたいなら私を倒してみろ。』
「邪魔!」
あんたの相手をしてる暇なんて無い。リリを助けるんだ。
「フレア!」
最弱の魔法で十分だ。私はポイと火を投げつけた。
その一撃でおつりがくるほどには、私のレートは上がっていた。ここでは最強であろうバケモノは、パッカーンと破裂し、木っ端微塵になった。私はその爆炎の中をギュンと通り過ぎた。私の背後でバケモノが粉々に散っていた。もう再生すまい。
私は円錐の近くに辿り着いた。
「遅いぞー。」
るーちゃんもびっくり、そこには蘭&ひなたが居た。
「なんでですかー!」
「ジャンプしてきた。」
「新記録ですぅ!」
さあ、円錐の中に入ろう。待っててねリリ。
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