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253.バカセカ番外編スレ
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84 :げらっち
2022/11/10(木) 18:08:51
《ルル視点》
私はスタスタと黒を昇って行った。
水中とも空中とも違う空間。地に足が付いているわけでもないのに、足を動かすと、階段を駆け上がるように、上に登れた。
ここは「体内」だ。
黒い粘液は、自殺者の魂であり、セカイの主の細胞だ。
すなわちここは、主の、体の中であり、胃の中だ。
下から霞月の声が、本人に先駆けて私を追ってきた。
「ルルちゃん!何で上を目指すんだ?」
それは決まっている。
「今私たちはお腹の中に居るんです!主を救うなら、その中枢である頭に行かないと!」
「なるほど」と霞月。
「でもさー!」
次は奏芽が言った。
「この状況だと、どっちが上でどっちが下かさえ、わかんなくない?」
それもそうだ。
私は足を止めた。霞月と奏芽が私の居る階層に追いついた。
「おい待てよ!」
更に、蘭も合流した。
ひなたの姿は無い。
「ひなたさんは?」
私が尋ねると、蘭は答えた。
「日向は帰った。」
本当に帰っちゃったんだ。
でもおかしい。ひなたが帰るのはわかるにしても、何で蘭だけが、ここに残っているの?
あの2人が意図して別行動を取るとは思えない。
「どうして蘭くんは行かなかったんですか?」
「日向が帰った直後に、霊道が塞がれた」
霊道?
オカルトな響きですぅ。
「さっきから言ってる霊道って何のことですか?」
「霊道が塞がれた以上、やはり魂を何とかする他ないようだ。」
蘭は私の質問を既読無視した。
「魂たちを助ければ、霊道がまた開いて帰れるってこと?」と奏芽。
「そうだろうな。」と蘭。
「振出しに戻っちゃうけど、どうやって助ければいいの?」と霞月。
「さあな。自殺は許されざることというのが神が定めたことなら、おれにはどうにもできない。日向が居ればどうにかできたかもしれないがな。」
蘭はまたもや理解しがたいことを言っているが、質問しても答えてくれるわけがないので、理解できたところだけにリプライする。
「神の設定じゃないみたいですよ!」
「なに?」
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