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260.愛か金、最後は雨
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14 :ねむねむ
2022/04/02(土) 10:50:16

一章(←一章で終わりそうで草)一話(?)

1945年。その大陸は、発見された。
ちょうど、太平洋戦争が終わろうとしている頃である。
ひとりの大富豪が、太平洋に浮かぶ、巨大な大陸を見つけた。
彼は、その大陸を『ヘリクリサム大陸』と名付けた。
ヘリクリサムは、金の亡者という花言葉を持つ花である。
金の亡者たちのみが集まる大陸。
その大陸が発見されたあと、大富豪はそこに移り住み、自身を王として国を作り出した。
ヘリクリサム王国である。
ヘリクリサム王国初代国王となった大富豪は、各国の金の亡者たちに、招待状を送った。
「ヘリクリサム大陸に来ないか」という内容のものだ。
国際連合などの国際的な面々には大陸の存在を知らせていない。
自分たち自身の、金が中心の国を作ろうではないか。
金の亡者たちにとっては、ひどく魅力的な誘いであった。
愛、というのが現実に果たしてどれくらい存在しているだろうか。
お互いに想い合って付き合い、結婚まで至ったという素晴らしい話は、所詮、小説や漫画の中での話だ。稀にそういう人たちもいるが、それは本当に稀なのだ。
大抵は、相手が自分のことを好きで、告白されたから付き合った……(逆もまたしかり)などという話がほとんどではないか。
金に目がない亡者たちは、金の為に努力を惜しまない。
だからもちろん、正当な評価を得ていれば儲かる。
金持ちになった彼らに、金目当てですり寄ってくる輩は多い。
嘘くさい笑顔を顔に貼り付けた輩を多く見た亡者たちは、さらに愛を嫌っていき、金にだけ目を向けた。
ある意味、現実が生み出した「膿」によって彼らが犠牲になったとも言える。
本物の愛を知ることができなかった彼らはひどく可哀そうだし、哀れだ。
これは大陸だけの話ではない。
そういう現実を作り出したのは、紛れもない社会だ。
私を含めるすべての人々がそういう環境、現実を作り上げてしまった。
だからこの悲劇は決してロボットと大陸の人だけがいけないわけではない。
全員、間違っていたのだ。
それを忘れてはならない。
遠い場所だから関係ない、そんなことはただの逃げだ。
私は目を背けないことを決めた。
だからこうして、私たちの戦争を綴っている。

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