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265.VigilanteーThe Masked Riderー
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11 :迅
2022/04/10(日) 20:52:36
教室に入ると、彼は早速孤立した。
元より人付き合いが下手なのもあるが、中学校時代は殆ど同級生と絡まなかった事が起因して、何を話せばいいのかが分からないのだ。
窓側の席だから良かったが、もし廊下側の席だったらと考えるとゾッとする。
前や隣の席に人間は座っておらず、早速出来た新しい友人の下で談笑している。
どうしよう、本気で帰りたい。
斗真は頬杖をつき、窓の外をぼんやりと眺める。
活気に満ちた大通りでは、若者や戦隊が路上パフォーマンスを行っており、もはや軽いお祭りと化していた。
「くだらねぇ……」
無意識的に、否定的な言葉がこぼれ落ちる。
彼が変わったのは、あの『赤の日』が原因と言っても過言ではない。父は職を失い、戦隊以外のヒーローは『紛い物』として差別されるようになり、国防や医療と言った、様々な分野にも戦隊がのさばるようになった。
かつてはヒーローだった父も、今ではしがない中間管理職。
いや、中間管理職でも十分な立場ではあるが。
ただ、それを抜きにしても、斗真は元から戦隊が好きではない。
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