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265.VigilanteーThe Masked Riderー
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14 :迅
2022/04/11(月) 08:10:47
「私、親は居ないようなものだから」
「お、おう」
再び知った衝撃の事実に、斗真は動揺を隠しながら相槌を打つ。
何となく、この少女とは仲良く出来そうだ。
「おーし、授業始めるぞー」
程なくして、担任の教師と思われる男性が入って来る。
眼鏡をかけた、無精髭を生やした30代程の色男……と言ったところだろうか。男は教卓に出席簿を置くと、片手をついてやる気なさそうにクラスを見渡す。
「あー、俺がお前らの担任を務める神谷だ。最低限のマナーさえ守れば、何しても構わん」
やる気なさげに自己紹介を済ませ、「次はお前らの自己紹介な」と告げる。出席番号一番は、言わずもがな斗真だった。
自己紹介とは、コミュ障にとってトップクラスの難題である。
だが、流石に時間が押しているので、斗真は渋々教団の上に上がる。
「あー……なんだ、春賢中学校出身の緋月斗真っす。中学ん時はボクシングのライト級チャンプやってました」
クラスメイトからの「おぉー」と言う声。
『チャンピオン』と言う安直な響きに感心したのだろうが、そこはどうだっていい。しかし、斗真も舌が回ってきたのか、趣味や苦手な事などを話した。
「あとは親が───」
そこまで言った辺りで、斗真はハッとする。
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