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265.VigilanteーThe Masked Riderー
 ┗30

30 :迅
2022/05/05(木) 12:31:37

 戦隊の情報共有率は無駄に高い。
 かつて、ちょっとした一言が原因で戦隊総出で袋叩きにされた政治家を見た事がある。『戦隊至上主義』に一般人の人権など、あってないような物だ。
「さて、今日の授業はここまでだ。明日小テストをやる。各自、しっかり復習しておくように」
 ───ちゃんと宣言したぞ?
 と言い残し、神谷教諭はパソコン片手に教室を出て行く。
 斗真もいつも通り教室の外に目を向けると、こちらに向かって来る三つの足音を聞き取る。
 その足音は、斗真の席の隣で止まった。
「……」
 斗真は知らないフリをしたまま、窓の外を眺め続ける。
 背後からタンタンと爪先で床を叩く音が聞こえるが、それもスルー。相手は、粗方予想出来ているからだ。
 しかし、相手は一向に去ろうとしない。
 耐久力の勝負なら負けるつもりはないが、クラスメイトの視線が集中するのは望ましくない。斗真は、ゆっくりと来訪者の方に身体を向けた。
 相手は大猿のような巨漢と、細身の少年。
 ───そして、先程神谷教諭に鋭い視線を送っていた、黒髪の少女。
「……えーと、なんすか?」
 ワザとらしさを隠さない第一声。
 巨漢が掴み掛かろうとするが、それを制する黒髪の少女。
 猛る巨漢を下がらせると、彼女は小さく微笑んだ。
「こうして話すのは、初めてですわね。私、虎洸メアリと言う者ですわ」
 ───以後、お見知り置きを
 と、礼儀正しく挨拶する少女。護衛達は一言も発さないまま、手を後ろに組んでメアリの後ろに待機している。
 斗真も柔かに挨拶を返すが、内心は穏やかではなかった。
「(思ったより、大物に話しかけられちまったな……)」
 『虎洸』と言えば、武闘派戦隊の頂点と呼ばれる『神拳戦隊ゴウレンジャー』のリーダーを受け継いでいる家系だ。
 となれば、目の前の彼女は勿論、背後に控えている二人も相当な手練れの可能性が高い。味方になってくれるなら頼もしいが、敵として対峙した場合は、厄介極まりない相手だ。
「お会い出来て光栄ですわ。緋月さま」
 しかし、彼女は柔和な笑みを浮かべたまま、優しい声色で近づき、彼の耳元で思いもよらぬ言葉を囁いた。
「(貴方……仮面ライダーの息子、ですわよね?)」
「ッ!」
 思わず目を見開き、メアリを睨み付ける斗真。
 対する彼女は、してやったりと言いたげな表情を浮かべた。
「此処でお話になるのもどうかと思いますし、少し歩きませんこと?」
 斗真は、彼女の指示に従う他無かった。

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