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265.VigilanteーThe Masked Riderー
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37 :迅
2022/05/06(金) 19:04:32
悲鳴と黒煙が上がってから数分後、斗真達は校舎へと入る。
校舎内は、怯える生徒達で溢れかえっていた。
「おい!早く逃げろよ!」
「みんな!指示に従って避難するんだ!」
「馬鹿野郎!そんな事言ってる場合か───ッ」
「先生はどこ行ったんだ!?」
「いいから、早く逃げるぞ!」
廊下に響き渡る、男女問わない様々な絶叫と悲鳴。
逃げ惑う生徒達の流れに逆らい、斗真とメアリの二人は現場に向かって廊下を走っていた。
「貴方、さっきロッカールームに行ってましたよね!あれは一体、どう言う意味ですの!?」
「ちょっとした野暮用だ!」
メアリからの言及を、斗真は軽く受け流す。
あそこに向かった理由はただ一つ。
彼の目的の物は、ロッカールームにあったからだ。
「……」
斗真は銀色の縁が光るアタッシュケースに目を向ける。
それは、戦隊が使用する持ち運び易いようにコンパクト化されたそれとは異なる、無骨ながらもシャープなデザインをした仮面ライダーが使う『変身アイテム』。
彼の持つアタッシュケースに、それが入っているのだ。
「兎に角!詳しい話は、現場に行きゃあ分かる!」
人の間を縫うように廊下を駆け抜け、とおまわりにはなるが、成るべく人通りの少ない場所を通っていく。
斗真の健脚を使えば、人混みを通るよりも時短になるからだ。
そして、教室の近くに差し掛かった瞬間───
「ぐあぁぁぁあぁあ!」
「ひぃぃぃぃっ!」
聞き覚えのある二つの悲鳴が、廊下に響き渡った。
「今の悲鳴は……!」
「村木さん!」
メアリは自身の部下の名を叫び、先を走っていた斗真が悲鳴の出所であるB組の扉を勢いに任せて蹴破り、突入する。
そして、教室の中に広がる光景は───────
「アハッ☆やっと来たァ♪」
まさしく、地獄絵図だった。
Episode3・見てて下さい、俺の『変身』(結)
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