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265.VigilanteーThe Masked Riderー
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42 :迅
2022/05/14(土) 18:26:08
しかし、シナプスは余裕の態度を崩さない。
それどころか、こちらを嘲笑うかのようにケタケタと小さく肩を震わせていた。
「何が可笑しいッ」
銃口を向けたまま、暸太郎はシナプスに問う。
対する彼女は、白い犬歯を剥き出して不敵に笑った。
「アハッ☆やっぱり君は真面目だねぇ」
そう言うと、三度消えるシナプスの姿。
次の瞬間、サイレンジャーの後ろに控えていた機動隊員の身体から鮮血が飛び散った。
バケツの中身をぶち撒けたように、赤い染みが壁一面広がる。
気づいた時には、一人、また一人と、シナプスの餌食となって行く。圧倒的な実力差による、情け容赦ない蹂躙。それに真っ先に反応出来たのは、斗真と暸太郎の二人だった。
「くッ!」
「おっと!」
暸太郎は拳打を両腕を交差させて受け止め、斗真はブレイクダンスを舞いながら避ける。
シナプスが攻撃を取りやめた瞬間、二人は攻勢に回った。
「戦隊さん!アンタは援護を頼む!」
「分かった!総員、発砲用意!」
ジャキッ。
「撃てェ!」
ダダダダダダダッ!!!
暸太郎の指示により、構えられたアサルトライフルの銃口から、鉄のカーテンが広げられる。
その中心を走るは、風を纏う斗真。
シナプスの懐に潜り込む数秒の間で、彼は必殺の一撃のプロセスを終えていた。
「さっきは随分と、長ったらしく話してたなァ〜〜〜」
準備が終われば、あとは叩き込むだけだ!
「まずッ───」
「吹っ飛びやがれ!」
逆巻く突風を纏った拳は、彼女をガードした両腕ごと吹き飛ばし、竜巻となってそのまま教室の天井を貫通し、屋上まで大きな風穴を打ち開けた。
***
「しかし、凄い事になったな……」
「あはは……」
夕刻。
天井にぽっかりと開いた大穴を見上げながら、暸太郎が言うと、張本人である斗真は苦笑いを浮かべる。
あの時は、正直此処までなるとは思っていなかった。
だって初めて変身したし?
あんなパワー出せるとは思わなかったし?
だが、そんな言い訳が通用する程、暸太郎とは親しくない。
「君のおかげで死傷者が出なかったから良かったが、国の許可を受けていない個人での自警活動は、本来ならば補導……下手すれば逮捕にまで発展するんだぞ?」
暸太郎は手帳に書き込みながら、厳しめの口調で言う。
それは斗真も知っている事だ。
現に、仮面ライダーが戦隊から嫌われていた理由は、『個人での自警活動を行っていたから』だと言う。人知れず怪人が倒される事で、戦隊のアピールにならないからだ。
そこまでして自己PRがしたいのかとも思うが
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