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265.VigilanteーThe Masked Riderー
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6 :迅
2022/04/10(日) 17:05:25
中には、ハンガーにかけられた新品の学ランが吊るされていた。
「俺だって、今日から高校生だもんな」
誰もが一度は、戦隊への入隊を憧れるだろう。そして戦隊に憧れる者なら、当然国内最高峰の育成機関・戦隊学園への入学を目指す。
しかし、それでは周りと合わせてるだけで、何かが違う気がする。
───だって、俺はいつも、父の背中を追い続けて来たのだから。
「行ってきまーす!」
「はーい、いってらっしゃい」
「気をつけて行け」
「「いってらっしゃーい!」」
学ランに着替え、玄関を出た斗真は自転車に跨り、ペダルを漕ぎ出す。
自転車で片道約三十分程、斜面は険しいが桜並木が美しい峠道を越えたその先に、国立院丁学院は存在する。
「おはよー」
「おーっす」
「私、文学科に入学したんだ!よろしくね!」
「マジ!?ウチも文学科!よろしく!」
「(ここが院丁学院……)」
───今日から、俺が『正義』を執行する場所。
ここでは、一体どんな出逢いが待ち受けているのだろう。
高鳴る鼓動を抑え、斗真は院丁学院の門を潜った。
これは、『戦隊』の手が届かない弱者に手を差し伸べる、影の英雄《ヒーロー》の物語。
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