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283.短編小説のコーナー
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154 :ダーク・ナイト
2023/02/24(金) 17:50:37
「悲しみの花束」
「はい。コレ。」
彼の口から出てきた言葉は、その言葉だった。
とても短い言葉だった。
やはり、私は彼から愛されていなかったのだ。
私は流れ落ちようとする涙を食い止めるのに必死だ。
彼は私の胸に、ピンク色の紙で包まれた花束を押しつけてきた。
彼が渡してきた花束の中には、愛のような色の花ばかり入っていた。
鮮やかなルビー色や白色の花がたくさん束ねてある。
私は付き合って1年の彼に裏切られてしまった。
彼が他の女性と歩いているところを見てしまったのだ。
とても悔しくて悲しかった。
彼は私だけを見ていたのではなかったの……?
私は、そんな灰色の思いを背負って約3ヶ月生活し続けた。
だが、とうとう引っ越すことにした。
そして、今にあたる。
彼は後ろを向くと駆け出した。
彼の黒いコートが風に揺れる。
「待って!」
私は彼を呼び止めた。
「あなたは……最後まで……私を……愛してくれなかったね……。」
涙混じりの声で一生懸命に言った。
「私は……本気、だっ、た、ん……だよ……。」
「美久! それは君の誤解だよ、エグッ。僕はズズッ。今までっ。本当にっ。愛していたんだっ……。」
「でも……なぜ、3ヶ月前くらいに女性と歩いていの……?」
「アレは、僕の姉だよっクスンッ。」
「え……そうだったの……?」
「そうだよ。君は誤解をしていたんだね……。僕は君を一生守りたい。だけど、君自身が僕を見捨てたら別の話だ。僕は諦めるよ。」
いつの間にか泣き止んだ彼は冷たい目に変わって言った。
「人を信用することもできない君は、もういらない。」
「やっぱり……そうじゃない。あなたは……。」
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