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283.短編小説のコーナー
 ┗37

37 :げらっち
2022/08/07(日) 15:28:52

RPG風バトルは、カシス&カリナの優勢であった。
それもそうだ。魔法陣内は彼らのホーム、正々堂々やる気などさらさらなかったのだから。

「盤盤盤盤俺野攻撃。盤盤盤盤俺野攻撃。」
「コンビネェショォン、アタァ~~ック!!!」
2人の一方的な暴力がゲラッチを襲った。ゲラッチは自ターンになるまで動けず、防御すらできず、ただ目を瞑って耐えている。
「ぐっ……!」だがゲラッチも気丈である。「効かないぞ、その程度かい?」
「うるさいのぉ~~!!」
カリナの激烈なキックが命中、ゲラッチは血を吐いた。
「ゲラッチ、HPが減っているぞ。このままだと不味い。俺を召喚しろ。」と、魔法陣の外に居るレナック。外部からの干渉はできない。
空中に表示されるHPは、カシス&カリナが9999、ゲラッチが164と、窮地であった。
「なあに、私のターンになりさえすれば、一発逆転さ。何しろ私はチートky……」
ここでゲラッチのターンに切り替わる。

「ショウタイムだ!」

「どうかな」とカシス。
魔法陣からジャランと鎖が伸び、ゲラッチの体を拘束した。ゲラッチが歯を喰いしばるや否や、肥大化したカシスの腕が、ゲラッチの腹部に強烈な殴打を浴びせた。
「ぐは!!」
「ターンなんて無視!!ずっと俺たちのターンだよぉ~♪」

ドゴォンと打撃音、鎖が破壊され、ゲラッチは崩れ落ちた。

HPが0になった。

「終わりだな。」
キャラキャラと笑うカシスとカリナ。

レナックは、くるりと背を向けた。「お前らがな。」

「ああ。」
ゲラッチは立ち上がった。
「終わりだよ。」

カシスとカリナは、ぽかんとしていた。
「は?……君のHPは0でしょ?」

ゲラッチの眼がギラリと光った。

「チート級ゲラッチワールド!!!!」

魔法陣が裏返り、真っ赤に染まった。炎が噴出し、ピエロとクラウンは業火に焼かれた。
「ギィヤァァァアアアア~~!!!!!!!!」

「馬鹿めが!!貴様らの虚を突くべく、HP表示に細工をしておいたのだ!!チートにはチートを!私のHPは∞、つまり貴様らはエンカウントした時点で、負けが決まっていたのだ!!!苦しんで、死ぬがいい!!!」

カリナはのたうち回り、カシスは跪いて、ゲラッチにすり寄った。
「助けてくれ……助けてくれ……」
「ほう、命乞いをするか。私は冷酷な男ではない。私に忠誠を誓い、メリルイ部の一員になるなら助けてやろう。私が世界を一統する手助けをするというのなら、生かしてやろう!!」

カシスは灼熱の地面に頭を擦り付け、呻いた。
「わかったー!!なんでもする!!たすけて!!!」

だがゲラッチは、
「やだね。」

ニヤリと、満面の笑みを浮かべた。
「私は冷酷な男だ。特に、荒らしに対してはな。荒らしに一片の情けもかけるか。地獄に落ちろ。」

「ひどいよーっ!!!」
カシスとカリナのHPが0になった。2人の亡骸は、炎と共に、魔法陣に吸い込まれていった。死体と魂さえも、この世界から抹消され、アク禁となった。

魔法陣は消え、ゲラッチはくるりと振り向き、その場を出た。
「仕事が終わった。」
「おい!俺の活躍が無かっただろ。」とレナック。

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