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283.短編小説のコーナー
 ┗60

60 :迅
2022/09/22(木) 19:33:20

 何とかして追い返したい所だが、颯太と名乗る青年は人懐っこい笑みで話しかけて来る。
 何故そこまでして話したいのか、全く分からない。
 新はため息をつき、小説に目線を戻す。

「それで?何か話があるなら、さっさと話して帰ってくれないかな。暇じゃないんだけど」

 小説に眼を向けたまま、突き放すような口調で言う。
 この言い方をすれば、大体顔や虐め目当てで絡んで来た連中は、何も言わずに去って行くのだが───

「あはは……そうだね。実は僕、この前君に助けられたお礼を言いたかったんだ」
「ッ!」

 次の一言で、新は前言を撤回した。
 お礼を言いたかった?
 全くと言って良い程、接点がないと言うのに?
 いや待て、確かゲームの中盤で他のプレイヤーに襲われていた奴を助けた気がするが、まさか……

「あれお前だったのか?」
「あはは……お恥ずかしながら」

 頬を掻きながら、苦笑いを浮かべる青年。
 対する新は、余りの情報量に呆気に取られていた。

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